ギター初心者のための音楽用語事典【タ行】

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ギター初心者の皆さん、こんなことで悩んでいませんか?

・楽譜が読めなくて、曲を弾けない…
・演奏がワンパターンで、つまらない…
・自分の表現したい音がうまく出せない…

 これらの悩みを抱えているなら、この音楽用語事典が必ず役に立ちます。



 ギター歴50年の私は、現在、街のギター教室とオンラインのギター教室で講師をしています。

 そんな私が、常々、生徒さんにやっている指導があります。

 それは、ギター用語とギターのテクニックをつなげることです。



 たとえば、指導の際に、次のようなことを言います。

・ここはカッティングとブラッシングで弾こう。
・ブリッジミュートをすると重厚感が増すよ。
・調号のシャープが2個だからキーはDだね。

 ここで使った音楽用語がわからない生徒さんは、何を言われているのか理解できないので、首をかしげてしまいます。

 そのようなときは、その場で、ゆっくりていねいにわかるまで解説します。

 ここで生徒さんが理解できれば、次の指導がスムーズに進むので、上達が早まるからです。
 
 
 この経験から私は、「ギターを弾くために必要な音楽用語集があれば、ギター初心者でも効率よく学習や練習ができる」ということに気づきました。

 そこで、これだけは必要だといえる約280の音楽用語を解説した音楽用語事典を作成しました。

 説明に要した文字数は、実に16万5000文字以上の大ボリュームです。
 
 
 音楽用語事典を使うことで、次のようなメリットが得られます。

・楽譜がスラスラ読めるようになる。
・ギター演奏の表現力がアップする。
・自分の表現したい音が出せるようになる。

 さあ、ギター上達への第一歩を踏み出しましょう!

ダ・カーポ

 音楽用語のダ・カーポは、イタリア語で「頭から」という意味を持ちます。

 この用語は、楽譜において曲の冒頭へ戻ることを指示する演奏記号で、「Da Capo」または略して「D.C.」と表記されます。

 具体的には、楽譜の最後や段落のところに「D.C.」と書かれていたら、演奏者は曲の最初に戻って演奏を続けることになります。

 そして、通常は「フィーネ(終わり)」と書かれたところ、または複縦線上のフェルマータのところで曲を終えます。

 バロック音楽では多用された記号ですが、ロマン派音楽以降は使用機会が減ってしまいました。

 しかし、現在でもポピュラー音楽の世界においては使用されているようです。

「D.C」とよく似た表記に「D.S.」がありますが、「D.S.」は「ダル・セーニョ」と呼ばれ、曲の中の途中部分に戻りたいときに使用する記号です。

 この場合は、曲の途中に「S」に米印がついたような記号が楽譜に書かれている箇所に戻ります。

 ギター初心者の方にとっても、これらの記号は演奏する際に非常に重要な指示となりますので、覚えておくと良いでしょう。

 音楽を演奏する際は、これらの記号に注意してください。

タイ

 音楽用語のタイは、同じ高さの2つの音符を繋ぐための記号で、これによって音を長く伸ばすことができます楽譜での書き方は、同じ高さの2つの音符を弧線で繋いで表現されます。

 タイで繋がれた音のうち、2つ目の音は弾き直さずに、伸ばしたままにします。

 例えば、2分音符(2拍分の長さ)と4分音符(1拍分の長さ)がタイで繋がれている場合、合計3拍の長さを持つ音として演奏します。

 後ろの4分音符は弾き直さず、最初の2分音符を3拍分伸ばして演奏することになります。

 タイは、拍子感を変えずに音を長く保持するために使われます。

 特に、小節をまたいで音を繋ぎたいときや、タイの方が書きやすい、または読みやすいときに利用されます。

 ギター初心者の方は、タイが使われている楽譜を見たときに、2つ目の音符を弾き直さずに、最初の音符を伸ばして演奏することを覚えておくと良いでしょう。

 音楽を演奏する際には、タイの記号に注意してください。

タイムシグネチャー

 タイムシグネチャーとは、音楽におけるリズムの基本的な構造を示す記号で、曲の拍子を決定します。

 タイムシグネチャーは、小節の中にどれだけの拍があるか、そしてそれぞれの拍がどのような音価で数えられるかを示しています。

 タイムシグネチャーは、通常2つの数字で表されます。

 上の数字は小節に含まれる拍の数を、下の数字は1拍を何分音符で数えるかを示します。

 例えば、4/4(フォー・フォー)タイムシグネチャーは、1小節に4拍があり、それぞれの拍が4分音符で数えられることを意味します。

 これはコモンタイムとも呼ばれ、最も一般的なタイムシグネチャーです。

 他の一般的なタイムシグネチャーには、3/4(スリー・フォー)、2/4(ツー・フォー)、6/8(シックス・エイト)などがあります。

 3/4タイムシグネチャーは、1小節に3拍があり、それぞれの拍が4分音符で数えられることを意味し、ワルツなどのダンス音楽でよく使われます。

 6/8タイムシグネチャーは、1小節に6拍があり、それぞれの拍が8分音符で数えられることを意味し、しばしば軽快なリズムや流れるような感じの曲で使用されます。

 ギター演奏においてタイムシグネチャーを理解することは、リズムを正確に保ち、曲に合わせて演奏するために非常に重要です。

 メトロノームを使用して練習することで、タイムシグネチャーに合わせたリズム感を養うことができます。

 初心者の方は、まずは簡単な4/4や3/4のタイムシグネチャーの曲から始めて、徐々に異なるタイムシグネチャーを持つ曲に挑戦してみると良いでしょう。

 タイムシグネチャーを意識しながら練習を重ねることで、より複雑なリズムにも対応できるようになります。

タッピング

 ギターにおけるタッピングとは、弦を指でたたいて音を出す演奏技法のことで、特にエレキギターでよく使われるテクニックです。

 タッピングは、速弾きや複雑なフレーズを演奏する際に役立ちます。

<タッピングの基本的な手順>

 右手(またはピックを持つ手)の人差し指か中指を使って、フレットボード上の特定のフレットを強くたたきます。

 これにより、弦が振動して音が出ます。

 左手(またはフレットを押さえる手)は、ハンマリング・オンやプリング・オフのテクニックを使って、他の音を出します。

 これにより、連続した音の流れを作り出すことができます。

<タッピングを行う際のポイント>

 タッピングする指は、弦をたたいた後に少しずらして弦を引っかけ、指を離します。

 これにより、クリアな音が得られます。

 不要な弦が鳴らないように、ミュートすることが重要です。

 右手の手刀部分や、左手の余っている指でミュートを行います。

 タッピングの際には、アンプを使用して練習すると、音がはっきりと聞こえ、正確な演奏がしやすくなります。

 初心者の方がタッピングを練習する際には、まずは簡単なフレーズから始め、徐々に速度を上げていくことをお勧めします。

 練習を重ねることで、タッピングの技術を身につけることができます。

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タッピングハーモニクス

 タッピングハーモニクスは、ギター演奏における特殊なテクニックの一つで、ナチュラルハーモニクスが出るフレットの上を、右手の指で叩くことにより、倍音を出す演奏法のことを指します。

 このテクニックは、タッピングとは異なります。

 タッピングは、右手の指で弦を叩き、そのまま押弦して音を出す演奏法ですが、タッピングハーモニクスでは、右手の指で弦を叩いた後すぐに指を弦から離し、ハーモニクス音を出します。

 タッピングハーモニクスを成功させるためには、以下の要素が重要です。

●弦を叩く位置:タッピングハーモニクスは、主に弦長の1/2の位置で行います。

 弦長の1/2の位置は、12フレットの真上です。

 しかし、弦を押さえているときは、「押さえているフレット数+12フレット」の位置が弦長の1/2になります。

●弦を叩く強さと速さ:タッピングハーモニクスは、力を入れずに速いスピードで弦を叩きます。

 弦を叩く指の動きは、熱い鍋に触ってしまったときに、反射的に手を離す動作に似ています。

 また、タッピングハーモニクスは、叩く弦の本数を変えることによって、単音だけでなく複数の音を鳴らすことも可能です。

 叩くスピードを変えたり、叩く位置を変えるなど、楽しみながらこのテクニックをマスターしてください。

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タブラチュア(タブ譜 TAB譜)

 ギター用語のタブラチュアは、ギターの楽譜の一種で、数字と記号を使って、どの弦のどのフレットを押さえて弾くかを示す方法です。

 五線譜とは異なり、タブラチュアはギターの弦とフレットに直接対応しているため、初心者にとって非常に理解しやすいです。

 タブラチュアの基本的な読み方は以下の通りです。

 タブラチュアでは、ギターの6本の弦を6本の横線で表します。

 最上線が1弦(一番細い弦)、最下線が6弦(一番太い弦)に対応しています。

 横線上に書かれた数字は、押さえるべきフレット番号を示します。

 例えば、3と書かれていれば3フレットを押さえます。

 特定の演奏テクニックを示すために、記号が使われることがあります。

 例えば、「h」はハンマリング・オン、「p」はプリング・オフ、「s」はスライドを意味します。

 タブラチュアは、音符を読む必要がないため、初心者が曲を素早く覚えるのに役立ちます。

 ただし、タブラチュアではリズムやテンポが直接示されないため、曲のリズムを別途学ぶ必要があります。

 練習を重ねることで、タブラチュアを読むスキルが向上し、より多くの曲を演奏できるようになります。

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ダル・セーニョ

 ダル・セーニョは、イタリア語で「印から」という意味を持つ音楽用語で、西洋音楽の楽譜において演奏者が特定の箇所に戻って演奏を続けることを指示する記号です。

 楽譜上では「Dal Segno」または略して「D.S.」と記されます。

 具体的には、楽譜の途中で「D.S.」という記号を見つけたら、演奏者は楽譜内の「セーニョ」と呼ばれる目印の箇所まで戻ってそこから再び演奏を始めます。

 この「セーニョ」の目印は、米印(※)のように見える特徴的な記号で、楽譜上で目立つようにデザインされています。

 ダル・セーニョは、曲の特定の部分を繰り返したい場合や、作曲家が特に強調したいフレーズがある場合に使用されます。

 クラシック音楽では古典派の時代から使用されていましたが、ロマン派以降はあまり見かけなくなりました。

 しかし、ポピュラー音楽では現在でもよく用いられる一般的な記号です。

 ギター初心者の方は、楽譜を読む際に「D.S.」やセーニョの記号に注意し、指示に従って演奏することが大切です。

 これにより、曲の構造を理解しやすくなり、演奏にも役立ちます。

 音楽を演奏する際には、これらの記号に注意してください。

短調

 短調とは、音楽において特定の感情や雰囲気を表現するための音階の一種で、一般的には暗い、悲しい、または神秘的な印象を与えることが多いです。

 ギターにおいても、短調は重要な役割を果たします。

 短調には主に以下の3種類があります。

●自然短音階(ナチュラル・マイナー・スケール):この音階は、長音階(メジャースケール)から第3音、第6音、第7音を半音下げた形で構成されています。

 例えば、Cメジャースケール「C D E F G A B C」からC自然短音階を作る場合、Eを半音下げてEb、Aを半音下げてAb、Bを半音下げてBbとします「C D Eb F G Ab Bb C」。

●和声短音階(ハーモニック・マイナー・スケール):この音階は、自然短音階の第7音だけを半音上げた形で、より東洋的な響きを持ちます。

●例えば、C自然短音階「C D Eb F G Ab Bb C」からC和声短音階を作る場合、Bbを半音上げてBとします「C D Eb F G Ab B C」。

●旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール):この音階は、自然短音階の第6音と第7音を半音上げた形で、上昇する時と下降する時で異なる音を使います。

 例えば、C自然短音階「C D Eb F G Ab Bb C」からC旋律的短音階を作る場合、上昇する時はAbをAに、BbをBに半音上げ「C D Eb F G A B C」、下降する時は元の自然短音階に戻します「C Bb Ab G F Eb D C」。

 ギター初心者の方は、これらの短調の音階を覚え、それぞれの音階で曲を演奏することで、異なる感情や雰囲気を表現する練習をすると良いでしょう。

 短調のコード進行やメロディを学ぶことで、ギター演奏の幅が広がります。

 練習を重ねることで、短調の特徴を活かした演奏ができるようになりますよ。

チキンピッキング

 チキンピッキングは、ギターの演奏テクニックの一つで、ピックと指を両方使って弦をはじく演奏法です。

 この名前は、「右手の形がニワトリのくちばしに似ているから」という説があります。

 また、「ピック弾き」と「指弾き」の二つの異なるピッキングを組み合わせていることから、「ハイブリッドピッキング」とも呼ばれます。

 このテクニックは、1900年代初めにアメリカ南部で生まれた「カントリー・ミュージック」で使われるようになりました。

 現在では、カントリー・ミュージックだけでなく、ロックやポップスなど、様々なジャンルの音楽で使われています。

 チキンピッキングのやり方は、親指と人差し指でピックを持ち、ピック以外の中指または薬指を使って弦をはじきます。

 ピック弾きと指弾きは、フレーズによって同時に行うこともあれば、交互に行うこともあります。

 このテクニックには以下のようなメリットがあります。

●弦飛びフレーズが弾きやすい

●アルペジオが弾きやすい

●速弾きフレーズが弾きやすい

●ストロークとアルペジオが交互にできる

●音色を変えられる

 これらのメリットにより、チキンピッキングは非常に便利なテクニックといえます。

 ギター初心者の方でも、このテクニックを学ぶことで、演奏の幅が広がるので、ぜひ挑戦してみてください。

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チューナー

 ギター用語のチューナーとは、ギターのチューニングに使う機器のことで、ギターの各弦の音程を正確に合わせるために使用されます。

 チューナーは、音を拾い、その音程を検出して、ギターの弦が正しい音程になっているかどうかを示します。

 チューナーの基本的な使い方は以下の通りです。

(1)チューナーをギターに取り付けます。

 クリップタイプのチューナーはギターのヘッド部分に装着し、ペダルタイプのチューナーはシールドケーブルでギターと接続します。

(2)チューナーの電源を入れます。

 ディスプレイが点灯し、チューニングの準備が整います。

(3)ギターの弦を1本ずつ鳴らします。

 通常は6弦(一番太い弦)から始め、1弦(一番細い弦)まで順番にチューニングします。

(4)ディスプレイに表示される音程を確認します。

 鳴らした弦の音程がディスプレイにアルファベットで表示され、その音程が正しいかどうかをメーターが示します。

(5)ペグを回して音程を調整します。

 メーターが真ん中に来るようにペグを回し、音程を合わせます。

 メーターが左側にある場合は音程が低いので、ペグを反時計回りに回して弦を締めます。

 右側にある場合は音程が高いので、ペグを時計回りに回して弦を緩めます。

 チューナーには主にクリップタイプとペダルタイプの2種類があります。

 クリップタイプは比較的安価で扱いやすく、ギター初心者に人気です。

 ペダルタイプは精度が高く、ステージ上での使用に適しています。

 チューニングはギター演奏の基本であり、正しい音程でギターを弾くことは、良い演奏をするためにも、音感を身につけるためにも非常に重要です。

 初心者の方は、まずはチューナーを使って正確なチューニングを行う練習から始めてみてください。

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チューニング

 ギターにおけるチューニングとは、ギターの弦の音程を正確に合わせる作業のことをいいます。

 チューニングはギター演奏の基本であり、演奏前には必ず行う重要なプロセスです。

 チューニングの基本的な手順は以下の通りです。

(1)チューナーをギターに取り付けます。

 クリップタイプのチューナーはギターのヘッド部分に装着し、ペダルタイプのチューナーはシールドケーブルでギターと接続します。

(2)チューナーの電源を入れます。

 ディスプレイが点灯し、チューニングの準備が整います。

(3)ギターの弦を1本ずつ鳴らします。

 通常は6弦(一番太い弦)から始め、1弦(一番細い弦)まで順番にチューニングします。

(4)ディスプレイに表示される音程を確認します。

 鳴らした弦の音程がディスプレイにアルファベットで表示され、その音程が正しいかどうかをメーターが示します。

(5)ペグを回して音程を調整します。

 メーターが真ん中に来るようにペグを回し、音程を合わせます。

 メーターが左側にある場合は音程が低いので、ペグを反時計回りに回して弦を締めます。

 右側にある場合は音程が高いので、ペグを時計回りに回して弦を緩めます。

 全ての弦をチューニングした後、再度確認して安定したチューニングを目指します。

 2、3回繰り返すことで、より正確なチューニングが可能になります。

 一般的なレギュラーチューニングでは、6弦からE-A-D-G-B-Eの順にチューニングします。

 チューニングは耳の訓練にもなりますし、正しい音程で演奏することは音楽を楽しむ上で非常に重要です。

 初心者の方は、チューナーを使って正確なチューニングを行う練習から始めてみてください。

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チューニングフォーク

 チューニングフォークは、音叉とも呼ばれ、特定の周波数を発する調律器具です。

 ギターのチューニングに使用される音叉は、通常Aの音(周波数440ヘルツ)を基準としています。

 音叉を使ってギターをチューニングする方法は以下の通りです。

(1)音叉を軽く叩いて振動させます。

(2)音叉の振動を耳で聞きながら、ギターの5弦のAの音(開放弦)と音叉の音を合わせます。

(3)5弦の音が合ったら、他の弦のチューニングは5弦を基準にして行います。

 音叉を使ったチューニングは、ハーモニクス(倍音)を利用する方法が一般的です。

 ハーモニクスは、特定のフレットの真上で弦に軽く触れ、弾いた後すぐに指を離すことで得られる倍音のことです。

 この方法を使うと、より正確にチューニングすることができます。

 音叉を使う利点は、電子チューナーを使わなくても正確な音程を得られることです。

 また、電池や電源が不要なため、どこでも使用することができます。

 ただし、音叉を使ったチューニングは少し練習が必要です。

 しかし、慣れれば迅速かつ正確にチューニングを行うことができ、音感も鍛えられます。

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調

 音楽用語における調とは、楽曲がどのような音階に基づいて作られているかを示す言葉です。

 具体的には、楽曲の主音(音階の1番目の音)が何であり、その音階が長音階か短音階のどちらであるかを表します。

 主音とは、楽曲の基本となる音で、他の音との関係性によって曲全体の雰囲気が決まります。

 西洋音楽では、12種類の音(ド、ド♯/レ♭、レ、レ♯/ミ♭、ミ、ファ、ファ♯/ソ♭、ソ、ソ♯/ラ♭、ラ、ラ♯/シ♭、シ)があり、これらの音のいずれかが主音になります。

 長音階とは、主音から始まり、「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」というパターンで進む音階です。

 この音階で作られた曲は明るい雰囲気になりやすいです。

 例えば、「ハ長調」は主音が「ド」(日本語でハと呼ばれる)の音から始まる長音階です。

 短音階とは、主音から始まり、「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」というパターンで進む音階です。

 短音階で作られた曲は暗く悲しげな雰囲気を持つことが多いです。

 例えば、「イ短調」は主音が「ラ」(日本語でイと呼ばれる)の音から始まる短音階です。

 ギターで「調」を理解するには、まずギターのチューニングと音階の形を覚えることが大切です。

 そして、それぞれの調に合わせてフレットを押さえる位置を変えることで、異なる調の音楽を演奏することができます。

 音楽理論は複雑に感じるかもしれませんが、基本的な知識を身につけることで、より多くの曲を楽しむことができるようになります。

調号

 調号とは、五線譜の始めに書かれる、シャープ(♯)やフラット(♭)の記号のことで、その楽曲がどのキー(調)で演奏されるかを示しています。

 調号は、その曲全体にわたって、特定の音を常に半音上げる(シャープの場合)か半音下げる(フラットの場合)役割を持っています。

 例えば、五線譜のト音記号の隣に♯が1つ書かれている場合、その曲は「Gメジャーキー」であり、通常の「ファ」の音は「ファ♯」として演奏されることを意味します。

 同様に、♭が1つ書かれている場合は「Fメジャーキー」を示し、「シ」の音は「シ♭」として演奏されます。

 調号があることで、演奏者はその曲のキーをすぐに理解し、適切な音を演奏することができます。

 ギターで調号を読むには、まずは五線譜の読み方を少し学ぶ必要がありますが、基本的な知識があれば、どのフレットを押さえるべきかを理解するのに役立ちます。

 調号の数と種類によって、演奏するキーが決まります。

 例えば、♯が多いほどキーは「シャープ系」のキーになり、♭が多いほど「フラット系」のキーになります。

 これにより、ギタリストはコード進行やメロディを予測しやすくなり、曲の演奏準備がスムーズになります。

 調号を覚えることは、ギター演奏の基礎となる重要なスキルです。

 最初は少し難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで自然と読めるようになります。

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長調

 長調は、音楽の中で最も一般的な調のひとつで、明るく、活発な感じを与える音階です。

 長調の音階は、特定のパターンに従って構成されており、そのパターンは「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」と進みます。

 例として、C長調(ハ長調)を見てみましょう。

 C長調は、ピアノの白鍵だけで演奏できる最もシンプルな長調です。

 Cから始まり、「D、E、F、G、A、B、C」と進むことで、この明るい音階が完成します。

 ギターでC長調を演奏する場合、C(5弦3フレット)、D(4弦開放)、E(4弦2フレット)、F(4弦3フレット)、G(3弦開放)、A(3弦2フレット)、B(2弦開放)、C(2弦1フレット)と押さえることで、C長調の音階を奏でることができます。

 長調は、ポップス、ロック、クラシックなど、多くのジャンルで使われています。

 曲の雰囲気が明るく、聴く人を元気づける効果があるため、幅広い音楽で親しまれています。

 ギター初心者の方は、まずはC長調の音階を覚えて、基本的なコード進行やメロディを学ぶことから始めると良いでしょう。

 練習を重ねることで、他の長調も自然とマスターできるようになりますよ。

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チョーキング

 チョーキングは、ギター演奏における表現豊かなテクニックのひとつで、弦を指で押し上げたり引き下げたりして音程を変化させる方法です。

 具体的には以下のように行います。

●弦を押さえる:まず、演奏したい音符をフレットで押さえます。

●弦を持ち上げる:押さえた弦を薬指や中指を使って、ギターのネックに対して垂直に持ち上げます。

 これにより、弦の張力が増し、音程が高くなります。

●音程の調整:チョーキングでは、通常1音分(2フレット分)1、半音分(1フレット分)2、または1音半分(3フレット分)2の音程を上げることが多いです。

 目標とする音程に合わせて弦を持ち上げる量を調整します。

 チョーキングのコツとしては、以下の点が挙げられます。

●ドアノブを回すように:手首を使って弦を持ち上げると、より力強くスムーズにチョーキングができます。

●指のサポート:薬指だけでなく、中指や他の指を添えてサポートすることで、より安定したチョーキングが可能になります。

 チョーキングは、ギターソロやリードフレーズで「泣き」の表現や、感情的なニュアンスを加えるのに非常に効果的です。

 初心者の方は、最初は少し痛みを感じるかもしれませんが、練習を重ねることで自然と上達していきます。

 ぜひ、チョーキングをマスターして、ギター演奏の幅を広げてください。

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チョップ奏法

 チョップ奏法は、ギターのフィンガーテクニックの一つで、特定の音を弾く直前に、他の弦のブラッシング音(ミュート音)を加えて、その音をより強調するというものです。

 この奏法は、ブルースやジャズなどのフレーズを弾く時によく使われていますが、メタルやロック、ポップス、アコースティックギターなど、幅広いジャンルで使用されています。

 以下に、チョップ奏法の基本的なやり方を説明します。

●右手で低音弦をミュートする:チョップでブラッシング音を鳴らす場合は基本的に左手でミュートを行います。

 そのため、フィンガリングフォームを考えると低音弦側を左手でミュートすることが難しいため、右手の手刀部分を使って不要な低音弦側をミュートしておきます。

●左手で高音弦をミュートする:チョップ奏法でブラッシング音を鳴らす場合は左手のミュートが重要です。

 鳴らしたい音を薬指で押弦する場合は、人差し指と中指を薬指に添えるようにしながら、少し指を寝かせるようにして4弦あたりまで2本の指で軽く触れてミュートをします。

●ピッキングはスピードとタイミングを意識する:左手で高音弦をミュートした状態で、鳴らしたい音以外の弦を1つ~3つほどピッキングしてブラッシング音を鳴らしながら、目的の音を鳴らします。

 チョップ奏法は、音の厚みを増す効果があり、上手く使えば一音でもかっこよく聞こえるようになります。

 ただし、多用してしまうと「くどい」感じになってしまうので、ここぞというときに使うのがおすすめです。

 この奏法をマスターすると、聴かせたい「たった1つの音」をかっこよくすることができるでしょう。

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ツインリード

 ツインリードとは、2本のリードギターが同時に演奏することを指します。

 このテクニックは、特にハーモニーを弾く際に使用され、独特なサウンドが得られます。

 ツインリードは、バンドの個性として活用されることもあります。

 具体的には、2人のギタリストが異なるメロディーラインを演奏したり、同じメロディーを異なるオクターブで演奏したりして、音の厚みやハーモニーを生み出します。

 ヘヴィメタル系のバンドでよく見られるスタイルですが、他のジャンルでも使われることがあります。

 例えば、バンド「X JAPAN」では、HIDEとPATAがツインリードを演奏しており、彼らの絶妙なハモリは非常に印象的です。

 また、ツインリードはリードギターとリズムギターの区別があまりなく、2人ともがリードギターのような主張の強いプレイスタイルを持っている場合にも使用されます。

 ツインリードを演奏する際のポイントは、以下の通りです。

●役割の分担:2人のギタリストがそれぞれ異なる役割を持ち、曲の中でのバランスを取ります。

●音の分け方:それぞれのギタリストが互いの音が重ならないように演奏することが重要です。

 音色やフレーズで音を分けることにより、曲全体の音の厚みが増します。

 ツインリードは、ギター1本では表現できない演奏のバリエーションを増やし、曲のイメージを豊かにする効果があります。

 初心者の方は、まずは基本的なギターテクニックを身につけた後、ツインリードの演奏に挑戦してみると良いでしょう。

 音楽の幅が広がり、より楽しい演奏ができるようになりますよ。

ツーハンドタッピング

 ツーハンドタッピングは、ギター演奏のテクニックのひとつで、両手を使ってフレットボード上で弦を叩くことにより音を出す奏法です。

 このテクニックは、特にエレキギターでよく使われ、速弾きや複雑なメロディーを演奏する際に効果的です。

 ツーハンドタッピングの基本的な手順は以下の通りです。

●左手でフレットを押さえる:通常のギター演奏と同様に、左手でフレットを押さえて音を出します。

●右手でタッピングする:ピックを持つ右手の指(通常は人差し指や中指)を使って、押さえたフレットよりも高い位置のフレットを叩きます。

●ハンマリングとプリング:右手でタッピングした後、左手の指でハンマリングオン(弦を押さえつける)やプリングオフ(弦を引っ掛けて離す)を行い、連続した音を出します。

 ツーハンドタッピングを行う際のポイントは、以下の通りです。

●正確なタッピング:右手のタッピングは正確に行う必要があります。

 フレットの真上を叩くことでクリアな音が出ます。

●ミュートの重要性:タッピングしていない弦はミュートすることで、不要な音が鳴らないようにします。

●リズム感:ツーハンドタッピングはリズムを保ちながら行うことが重要です。

 特に速弾きを行う際は、リズムを崩さないように注意が必要です。

 ツーハンドタッピングは練習が必要なテクニックですが、慣れれば非常に迫力のある演奏が可能になります。

 初心者の方は、まずは簡単なフレーズから始めて、徐々にスピードを上げていくことをおすすめします。

 練習を重ねることで、より複雑で美しいメロディーを演奏できるようになるでしょう。

ツーフィンガーピッキング

 ツーフィンガーピッキングは、ギター演奏において右手の親指と人差し指のみを使用して弦を弾く奏法です。

 このテクニックは、特にクラシックギターやフィンガースタイルギターでよく使われます。

 基本的なやり方は以下の通りです。

 親指は、主にベース弦(6弦、5弦、4弦)を弾くために使われ、振り下ろす動作(ダウンストローク)を行います。

 人差し指は、主にメロディー弦(3弦、2弦、1弦)を弾くために使われ、弦をかき上げる動作(アップストローク)を行います。

 ツーフィンガーピッキングの練習を始める前に、まずは指のトレーニングから始めましょう。

 親指を振り下ろし、次に人差し指でかき上げる、この動作を繰り返し行い、指の反応を強化します。

 ギターを持たずに空中でこの動作を練習することで、運動神経を鍛えることができます。

 実際のギターでの練習では、まず6弦の開放弦を親指でダウンピッキングし、次に人差し指でアップピッキングします。

 この基本的な動作をメトロノームに合わせて繰り返し行い、音の粒が揃ったきれいな強い音が出るように練習しましょう。

 速く弾くことも可能なので、あなたのギタースタイルに取り入れてみてください。

 ツーフィンガーピッキングはシンプルなようでいて、実は非常に奥深いテクニックです。

 練習を重ねることで、より表現豊かな演奏が可能になります。

ツェンバロ

 ツェンバロとは、鍵盤楽器のひとつで、弦をプレクトラム(ピックのようなもの)で弾いて音を出す楽器です。

 ピアノと外見は似ていますが、ピアノが弦をハンマーで打つのに対して、ツェンバロは弦を「はじく」ことで音を鳴らします。

 ツェンバロの特徴は以下の通りです。

●音の発生方法:鍵盤を押すと、ジャックと呼ばれる棒が持ち上がり、その端に取り付けられたプレクトラムが弦を弾いて音を出します。

●音色:ツェンバロの音色は明瞭で金属的な響きがあり、バロック音楽の装飾的な旋律線や和声進行をはっきりと聞かせるのに適しています。

●強弱の変化の制限:ツェンバロは強弱の変化(ダイナミクス)を演奏することが難しく、音量の変化をつけるためには異なる鍵盤セットの使用など別の方法が必要です。

 ツェンバロは、16世紀から18世紀初頭にかけてヨーロッパで非常に人気があり、特にバロック時代にはソロの鍵盤楽器としてだけでなく、アンサンブルやオーケストラの中での伴奏楽器としても広く用いられました。

 しかし、18世紀後半にフォルテピアノ(現代ピアノの前身)の発展と普及に伴い、ツェンバロの人気は次第に衰えていきました。

 20世紀の古楽運動の中で、バロック音楽の正確な再現を目指す過程で、ツェンバロの重要性が再評価され、現代でも古楽の専門家や愛好家の間で、その魅力的な音色と歴史的背景から高く評価されています。

 ツェンバロはギターとは異なる楽器ですが、ギター演奏においてもツェンバロの音色や演奏スタイルからインスピレーションを得ることができます。

 例えば、バロック音楽のギター編曲を演奏する際には、ツェンバロの音色を意識したアプローチを取り入れることができるでしょう。

 ツェンバロの音楽を聴いてみると、ギター演奏にも新たな発見があるかもしれませんね。

テイルピース

 ギター用語でテイルピースとは、エレクトリックギターなどの弦楽器において、弦の片端を固定するための部品のことを指します。

 テイルピースは、ギターのボディの下部に位置し、弦の張力を支える役割を果たしています。

 テイルピースの主な機能は以下の通りです。

●弦の固定:弦の片端をギターに固定し、演奏時の張力を保持します。

●音の伝達:弦からの振動をギターのボディに効率的に伝えることで、音の響きに影響を与えます。

 テイルピースの材質や形状によって、ギターのサウンドにも違いが出ることがあります。

 例えば、亜鉛ダイキャスト製のテイルピースはサスティーン(音の持続時間)が長くなり、安定したニュアンスを得やすいです。

 一方、アルミ製のテイルピースは自然なサスティーンで音のメリハリがよく、特にプレーン弦の艶のある高音が特徴的です。

 また、テイルピースを支えるスタッドボルトも材質によって異なり、テイルピースと合わせて交換することで、自分好みのサウンドを見つけることができます。

 テイルピースはギターのサウンドに大きな影響を与える重要な部品です。

 ギターのカスタマイズを考える際には、テイルピースの選択もひとつのポイントになります。

 さまざまな材質や形状のテイルピースを試してみると、ギターのサウンドに新たな発見があるかもしれません。

デクレッシェンド

 デクレッシェンドとは、音楽用語で「だんだん弱く」という意味を持ちます。

 この用語は、楽譜上で演奏の音量を徐々に小さくすることを指示する強弱記号のひとつです。

 楽譜では、「decr.」や「decresc.」と略記されたり、「>」の記号で表されることがあります。

 この記号が書かれている箇所では、演奏者は指示された範囲内で音量を徐々に減らしていく必要があります。

 例えば、あるフレーズがフォルテ(大きな音)で始まり、その後にデクレッシェンドの記号がある場合、そのフレーズを演奏する際には、徐々にピアノ(小さな音)に向かって音量を下げていくことになります。

 これにより、曲の表現に変化をつけることができ、感情的なニュアンスや緊張感の解放などを演出することが可能です。

 ギター初心者の方は、楽譜でこの記号を見かけたら、その部分で音量を徐々に下げるように心がけてください。

 デクレッシェンドは、曲の感情表現を豊かにするための重要な要素ですので、演奏に取り入れてみてください。

テナーギター

 テナーギターは、ギターの一種で、通常のギターと同じ形をしていますが、弦が4本で、アコースティック・アンサンブルの中で高音パートを担う楽器です。

 テナーギターの一般的なスケール(ナットからブリッジまでの長さ)は23インチであり、通常、4弦のテナー・バンジョーやヴィオラと同じチューニングの「C-G-D-A」が使用されます。

 しかし、ギター・チューニングやシカゴ・チューニングと呼ばれる「D-G-B-E」、オクターブ・マンドリン・チューニングと呼ばれる「G-D-A-E」が使用されることもあります。

 テナーギターは、1927年にアメリカのギターメーカーであるマーティンが開発し発売されたモデルで、デキシーランド・ジャズなどで使用されるテナー・バンジョーと大いに関係があります。

 テナー・バンジョーからギターへの持ち替えが難しいバンジョー・プレイヤーのために、4弦ギターを特注し、バンジョーのチューニングをそのままに、にわかギタリストとして活動を続けるプレイヤーが登場しました。

 そのような時代背景をバックに、マーティン初のテナー・ギターである5-18Tが誕生しました。

 テナーギターは主に60年代まで生産され、その後もオーダーがあれば製作される時代が長く続きました。

 また、1950年代後半から60年代に人気を博したフォークソング・グループ、キングストン・トリオのニック・レイノルズもテナーギターをトレードマークとして愛用し、1997年にマーティン・カスタムから彼のシグネチャー・モデルが発売されて話題となりました。

 現在では、テナーギターを目にすることは少なくなりましたが、かつてはこの4弦ギターが多くのバンジョー・プレイヤーを救ったことは間違いありません。

 テナーギターの音色や演奏スタイルは、ギター演奏においても新たなインスピレーションを与えることができるでしょう。

テヌート

 テヌートは、イタリア語で「保持する」という意味を持つ音楽用語で、音符の長さを十分に保って演奏することを指示する演奏記号です。

 楽譜上では、音符の上または下に短い横棒(-)で表されることがあります。

 また、「ten.」と略記されることもあります。

 テヌートの記号がある音符は、その音の存在感を十分に発揮し、強調して演奏することが求められます。

 つまり、その音をしっかりと響かせ、他の音よりも少し長めに保持することで、フレーズに表情を付ける効果があります。

 ギター初心者の方がテヌートの記号を見た場合、その音を強調し、他の音と区別して演奏するよう心がけてください。

 テヌートは、曲の中で特定の音を際立たせたり、感情的なニュアンスを加えたりするために使われる重要な記号です。

 音楽を演奏する際には、これらの記号に注意してください。

テンションコード

 テンションコードは、土台となる4和音のコード(ルート・3rd・5th・7thの4音で構成されるセブンスコード)に、1つ以上のテンションノートを付け加えたコードを指します。

<土台となる4和音のコード>

●メジャーコード:6、7、M7(△7)

●マイナーコード:m6、m7、mM7(m△7)

<テンションノート>

●9度:9th、♭9th、♯9th

●11度:11th、♯11th

●13度:13th、♭13th

 テンションとは「緊張、不安」、ノートは「音符、譜」とあります。

 つまり、テンションコードは、通常のコードに音を付け加えることにより、多くの音がぶつかり合って緊張感や不安感が高まるコードということになります。

 付け加えるテンションノートの数は、主に1つですが、2つ以上のこともあります。

 テンションコードの理解を深めることで、より豊かな音楽表現が可能となります。

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転調

 転調とは、曲の途中でキー(調)を変えることを指します。

 これにより、曲の雰囲気や感じが変わり、聴き手に新しい印象を与えることができます。

 例えば、曲がCメジャー(ハ長調)で始まり、途中でGメジャー(ソ長調)に変わる場合、それが転調です。

 転調は、曲の盛り上がりを作ったり、感情的な変化を表現するために使われます。

 ギターで転調を演奏するには、新しいキーに合わせてコードやメロディを変更する必要があります。

 初心者の方は、転調が起こる曲を弾く際には、コードチャートやタブ譜を参考にしながら、新しいキーでのコードの押さえ方やストロークパターンを練習すると良いでしょう。

 転調は、曲の中で突然キーが変わるため、演奏者にとっては少し難易度が高い技術です。

 しかし、慣れれば曲の表現力を大きく広げることができるので、ぜひ挑戦してみてください。

テンポ

 テンポとは、曲の速さやリズムを決めるもので、通常、BPM(Beats Per Minute)という単位で表されます。

 BPMは1分間に刻む拍の数を意味し、例えば「60BPM」は1分間に60拍、つまり1秒ごとに1拍を刻む速さです。

 初心者の方がテンポを練習する際には、メトロノームという道具を使うことが推奨されます。

 メトロノームは一定の速さで拍を刻むことで、演奏のリズムを安定させるのに役立ちます。

 しかし、ギターを始めたばかりの頃は、メトロノームを使わずに、まずは曲の形がおおよそできるまで練習することが大切です。

 なぜなら、最初はメトロノームの音に合わせることが難しいからです。

 曲が形になってきたら、メトロノームを使ってテンポを安定させる練習を始めます。

 メトロノームには振り子式と電子式の2種類がありますが、ギター演奏者の間ではコンパクトで使いやすい電子式が一般的です。

 テンポを設定する際には、楽譜の始めにあるテンポを表す記号を参考にして、メトロノームをそのBPMに合わせます。

 そして、メトロノームの音に合わせて演奏を始めることで、テンポをキープする練習をします。

 テンポの練習では、最初はゆっくりとした速さから始め、徐々に速くしていくことが大切です。

 自分が確実に弾けるテンポから始めて、少しずつ速度を上げていくことで、テンポをキープする能力が向上します。

 まとめると、ギターのテンポ練習は以下のステップで行います。

 ギターを始めたばかりの頃はメトロノームを使わずに練習します。

 曲が形になってきたら、メトロノームを使ってテンポを安定させる練習を始めます。

 ゆっくりとしたテンポから始めて、徐々に速度を上げていくことで、テンポをキープする能力を向上させます。

 これらのステップを踏むことで、テンポを意識した演奏ができるようになり、ギター演奏の上達につながります。

 音楽における「度」とは、音の高さの関係を表すための単位です。

 ギターにおいては、弦を押さえるフレットの位置によって異なる音が出るので、その音の高さの関係を理解するのに「度」が役立ちます。

 例えば、ギターの同じ弦で、開放弦(押さえずに弾く)の音から1フレット上の音までの距離は「半音」です。

 これを「1度」と考えます。

 同様に、開放弦から2フレット上は「全音」で、「2度」となります。

 このように、フレットの数に応じて「3度」「4度」「5度」と数えていきます。

「度」には以下のような種類があります:

●完全1度  :同じ音  (例:CからC)
●短2度   :半音上  (例:CからC#)
●長2度   :全音上  (例:CからD)
●短3度   :1と1/2音上(例:CからD#)
●長3度   :2音上   (例:CからE)
●完全4度  :2と1/2音上(例:CからF)
●増4度/減5度:3音上   (例:CからF#)
●完全5度  :3と1/2音上(例:CからG)
●短6度   :4音上   (例:CからG#)
●長6度   :4と1/2音上(例:CからA)
●短7度   :5音上   (例:CからA#)
●長7度   :5と1/2音上(例:CからB)
●完全8度  :6音上   (例:1オクターブ上)

 ギターでこれらの「度」を実際に弾いてみると、それぞれの音程がどのような響きを持つのかを耳で確かめることができます。

 コードやスケールを学ぶ際にも、これらの「度」の関係を意識すると、より音楽理論が理解しやすくなります。

 音楽理論は最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本的な「度」の概念を理解することで、ギター演奏の幅が広がります。

 ぜひ、実際にギターを手に取って、音の関係を探ってみてください。

トーン

 ギターにおけるトーンとは、ギターの音色の明るさや暗さを調整するためのコントロールです。

 トーンノブを操作することで、音の高い成分を調整し、音色を変化させることができます。

 トーンノブをフルテン(最大限に回した状態)にすると、特に高音がはっきりとして抜けの良い音になります。

 逆にトーンを0まで絞ると、音がこもったような暗い雰囲気でマイルドな音色になります。

 エレキギターの場合、トーンノブは通常、ピックアップに接続されており、ピックアップが拾う音の高音域をカットすることで音色を調整します。

 トーンノブを絞ると、高音域が減少し、より低音が強調された暖かみのある音色になります。

 初心者の方がトーンを理解するためには、実際にギターを弾きながらトーンノブを様々な位置に動かしてみると良いでしょう。

 トーンノブを少しずつ変えていくことで、音色の変化を耳で感じ取り、自分の好みの音色を見つけることができます。

 また、トーンノブは演奏中にも素早く音色を変えるために使われることがあります。

 例えば、リズムパートではトーンを絞って暖かみのある音色にし、ソロパートではトーンを上げて明るくはっきりとした音色にする、といった使い方ができます。

 トーンノブの使い方をマスターすることで、ギターの表現力を大きく広げることができます。

 ぜひ、色々な設定で試してみてください。

トニック

 トニック とは、音楽理論において非常に重要な概念で、ギターを含むあらゆる楽器に適用されます。

 トニックは、あるキー(調)の基礎となるスケール(音階)の出発点にあたる音で、主音とも呼ばれます。

 この音は、そのキーにおける他の音に対する支配力を持ち、トーナリティ(調性)の確立の基礎となります。

 例えば、Cメジャースケール「ドレミファソラシド」において、「ド」がトニックにあたります。

 これはスケールの第1音であり、曲がCメジャーのキーである場合、Cコード(Cメジャーコード)がトニックコードとなります。

 トニックコードは、曲の始まりや終わり、またはセクションの終わりに使われることが多く、聴き手に安定感や落ち着きを与える効果があります。

 さらに、トニックはコード進行の中で「着地点」としての役割を果たし、他のコードからトニックに戻ることで、音楽的な「解決感」を生み出します。

 これは、リスナーにとって非常に心地よい感覚を提供するため、多くの曲で重要な役割を担っています。

 ギターでトニックを演奏する際には、キーに合わせた基本的なコード形を覚えることが大切です。

 初心者の方は、まずはCメジャースケールでのトニックコードであるCコードをマスターすると良いでしょう。

 音楽理論を学ぶことで、より多くのコード進行や曲作りに活かすことができるようになります。

ドミナント

 ドミナントとは、音楽理論において重要な役割を持つ用語で、ギターを含むあらゆる楽器に適用されます。

 ドミナントは、あるキー(調)のスケール(音階)の第5音を指し、トニック(主音)に次いで調性の確立にとって重要な音です。

 また、ドミナント・コードとしても使われ、不安定な響きを持ち、トニックへ戻りたいという強い動きを生み出します。

 例えば、Cメジャースケール「ドレミファソラシド」において、「ソ」がドミナントにあたります。

 これはスケールの第5音であり、曲がCメジャーのキーである場合、Gコード(Gメジャーコード)がドミナントコードとなります。

 ドミナントコードは、コード進行の中で緊張感を高め、トニックコードへの解決を促す役割を果たします。

 ギターでドミナントを演奏する際には、キーに合わせたコード形を覚えることが大切です。

 初心者の方は、まずはCメジャースケールでのドミナントコードであるGコードをマスターすると良いでしょう。

 音楽理論を学ぶことで、より多くのコード進行や曲作りに活かすことができるようになります。

トライアド

 ギターにおけるトライアドとは、3つの音で構成される和音のことを指します。

 トライアドは、音楽理論において基本的なコードの形であり、ギター演奏においても非常に重要な役割を果たします。

 トライアドには主に以下の4種類があります。

●メジャートライアド:明るく、安定した響きを持ち、ルート音、長3度音、完全5度音で構成されます。

 例えばCメジャートライアドは、C(ルート)、E(長3度)、G(完全5度)の3つの音から成り立っています。

●マイナートライアド:少し暗く、感傷的な響きを持ち、ルート音、短3度音、完全5度音で構成されます。

 Cマイナートライアドの場合、C(ルート)、E♭(短3度)、G(完全5度)の3つの音です。

●オーグメントトライアド:不協和音で、緊張感のある響きを持ち、ルート音、長3度音、増5度音で構成されます。

 Cオーグメントトライアドは、C(ルート)、E(長3度)、G♯(増5度)の3つの音から成り立っています。

●ディミニッシュトライアド:不安定でミステリアスな響きを持ち、ルート音、短3度音、減5度音で構成されます。

 Cディミニッシュトライアドは、C(ルート)、E♭(短3度)、G♭(減5度)の3つの音です。

 ギターでトライアドを演奏する際には、これらの音を異なる弦で同時に弾くことで和音を作り出します。

 トライアドは、コードの基本形としてだけでなく、アレンジやソロ演奏においても重要な役割を果たします。

 例えば、ソロ演奏中に伴奏のコードトーンに合わせたトライアドを弾くことで、メロディーに調和と変化をもたらすことができます。

 初心者の方は、まずはメジャートライアドとマイナートライアドを覚え、それらのトライアドを異なるキーで弾けるように練習することから始めると良いでしょう。

 そして、オーグメントトライアドやディミニッシュトライアドも学び、ギターの指板上でのトライアドの位置を覚えることで、演奏の幅が広がります。

 トライアドを理解し、習得することは、ギター演奏の基礎を固めるだけでなく、音楽的な表現力を高めるためにも非常に重要です。

 ぜひ、トライアドをマスターして、ギター演奏を楽しんでください。

トランスポジション

 トランスポジションとは、曲のキー(調)を変更することを指します。

 これは、曲の全ての音を一定の間隔で上げたり下げたりして、別のキーで演奏することを意味します。

 例えば、ある曲がCメジャーキーで書かれているとします。

 この曲をDメジャーキーで演奏したい場合、トランスポジションを行い、全ての音を1全音(2フレット分)上げます。

 つまり、CメジャーキーのコードであるC、G、Am、FをそれぞれD、A、Bm、Gに変更します。

 トランスポジションは、歌手の声域に合わせたり、異なる楽器との調和を図るために行われることが多いです。

 また、ギターでトランスポジションを行う際には、カポタストを使うことで簡単にキーを変更することができます。

 カポタストを使うと、ギターのフレットを一時的に移動させることができ、同じ指使いで異なるキーで演奏することが可能になります。

 トランスポジションを理解し、実践することで、ギタリストはより柔軟に演奏することができるようになります。

 初心者の方は、まずは簡単な曲でトランスポジションを試してみると良いでしょう。

 そして、徐々に様々なキーで演奏できるように練習を重ねてください。

トリル

 ギターでのトリルとは、2つの音を交互に高速で弾くテクニックのことを指します。

 このテクニックは、音楽に装飾的な効果を加えるために使用されます。

 トリルを行う際には、「ハンマリングオン」と「プリングオフ」という2つの基本的な奏法を使います。

 ハンマリングオンは、弦に指を叩きつけて音を鳴らすテクニックで、プリングオフは、弦を指で引っ掻いて音を鳴らすテクニックです。

 これらを素早く交互に行うことで、トリルが成立します。

 具体的な弾き方は以下の通りです。

 まず、片方の指でフレットを押さえて音を出します。

 次に、別の指で隣のフレットをハンマリングオンして音を出します。

 その後、プリングオフを行い、最初に押さえていたフレットの音に戻します。

 これを繰り返し、高速で交互に音を出すことでトリルの効果を生み出します。

 初心者の方がトリルを練習する際には、まずはゆっくりとしたテンポで始め、徐々にスピードを上げていくことが大切です。

 また、指や腕の筋肉を鍛えることも重要で、練習を重ねることでトリルがスムーズにできるようになります。

 トリルは、ギター演奏において非常に魅力的な効果をもたらすテクニックです。

 ぜひ、練習を通じてこのテクニックをマスターしてください。

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トレモロ

 ギターでの「トレモロ」は、単一の音を連続して小刻みに演奏する技法です。

 クラシックギターにおいては、トレモロ奏法はメロディを担当する弦を連続して速く弾くことで、ギターで息の長い音を表現するために使用されます。

 具体的には、右手の親指(p)でベース音を弾き、その後に同じ弦を人差し指(i)、中指(m)、薬指(a)で連続して速く弾きます。

 これにより、1本の弦に対して4つの音が連続して鳴るように聞こえ、メロディが途切れることなく流れるように演奏することができます。

 トレモロ奏法をマスターするには、以下のステップが役立ちます。

●アルペジオの練習:トレモロ奏法はアルペジオの発展形と考えられます。

 まずは異なる弦を弾くアルペジオを練習し、右手の基本動作を習得しましょう。

●ゆっくりとした練習:トレモロ奏法は速さが求められますが、初めはゆっくりと正確に弾けるように練習し、徐々に速度を上げていきます。

●正しいフォームの習得:指の動きが無駄なく、隣の弦を誤って弾かないように、安定したフォームを身につけることが重要です。

●継続的な練習:トレモロ奏法は継続的な練習が必要です。

 レパートリーにトレモロの曲を1曲入れておくと、感覚が鈍ることなく練習を続けることができます。

 トレモロ奏法はクラシックギターの美しい曲に欠かせない技法であり、練習を重ねることで、息の長いメロディを表現することができるようになります。

 初心者の方でも、基本からコツを掴んでいけば、美しいトレモロ奏法をマスターすることが可能です。

トレモロアーム

 トレモロアームとは、エレキギターのブリッジ付近に取り付けられたレバーのことで、ギターの音程を上下に変化させるために使用されます。

 このアームを操作することで、ギターの弦のテンション(張力)を変えることができ、音のピッチ(高さ)を細かく調整することが可能になります。

 トレモロアームの仕組みは、アームがトレモロユニットと呼ばれる部分に接続されており、このユニットの背面にはバネが取り付けられています。

 通常、バネと弦の張力のバランスでブリッジは一定の位置に保たれていますが、アームを操作することでバネが伸び縮みし、それによって弦の張力が変わり、結果として音程が変化します。

 アームを下げる(押す)方向に動かすと、ブリッジ全体が前に移動し、音程が下がります。

 逆にアームを引き上げると、ブリッジ全体が後ろに移動し、音程が上がります。

 てこの原理を利用して、効率よくバネに力を伝えることができるのです。

 トレモロアームを使った奏法を「アーミング」と呼び、音を細かく上下させてビブラートの効果を出したり、激しく音程を変えてフレーズに独特なニュアンスを与えるなど、様々な表現が可能です。

 ただし、トレモロアームの使用はチューニングの狂いを引き起こす可能性があるため、正しい使い方と練習が必要です。

 トレモロアームの種類には、シンクロナイズド・タイプ、フロイドローズ・タイプ、ビグスビー・タイプなどがあり、それぞれ異なる特徴と使い方があります。

 例えば、フロイドローズ・タイプはチューニングが狂いにくく、大胆なアーミングが可能ですが、チューニング自体が難しいという特徴があります。

 初心者の方がトレモロアームを使い始める際は、まずはギターのチューニングが安定してから、基本的なアーミングの練習を始めることをお勧めします。

 そして、徐々に様々な表現方法を試しながら、自分の演奏スタイルに合った使い方を見つけていくと良いでしょう。

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