楽譜が読めなくても、音楽を楽しむことはできますね。
しかし、楽器を演奏するときには楽譜が読めると便利です。
そこでこの記事では、基礎的な楽譜の読み方を解説します。
イラストを多く使ったり、小話を入れたりするなど、楽しく読めるようにしたので、ぜひ最後までお読みください。
もくじ
楽譜が生まれた理由
楽譜は、紀元前2,000年ごろからあったといわれていますが、現在の五線譜のような形になったのは9世紀ごろのことだそうです。
といっても、これはヨーロッパの話であって、日本では五線譜とは別の楽譜が使われていました。たとえば、尺八の楽譜には、五線譜で使われているオタマジャクシはありません。
しかし、どのような形であっても楽譜が作られ、現在まで使われてきたのは確かです。
これは、「目に見えない音」というものを「目に見える楽譜という形」に表し、伝えていくための人類の知恵なのでしょう。
前置きはこれくらいにして、実際に五線譜の読み方を解説していきます。
五線譜の概要
五線譜は横に5本の線が引いてあります。
線の名前は下から「第1〜5線」、線と線の間は下から「第1〜4間」といいます。
五線の下にある短い線は、五線に近い方から「下第1,2,3〜線」、その間を「下第1,2,3〜間」です。
五線の上にある短い線は、五線に近い方から「上第1,2,3〜線」、その間を「上第1,2,3〜間」といいます。
五線譜の一番左には音の高さを表す「音部記号」、その隣には拍子を表す「拍子記号」があります。
「音部記号」と「拍子記号」の間には、○長調や□短調を表す「調号」が入ることもあります。
音名の種類と使われ方
音名は、国によって違います。
- イタリアやフランス:ドレミファソラシ
- アメリカやイギリス:CDEFGAB
- 日本:はにほへといろ
【ドレミ〜】は、メロディーを読むときによく使われます。
【CDE〜】は、和音(コード)の名前でよく使われます。
【はにほ〜】は、長調や短調の名前で使われます。
音符と休符の種類
音符と休符には、長さによっていろいろな種類があります。
最も長いものが、全音符と全休符です。
付点音符は、付点がついていない音符の1.5倍の長さになります。
音部記号の意味と由来
五線譜の一番左にあり、音の高さを表すのが「音部記号」です。
音部記号には、「ト音記号」「ヘ音記号」「ハ音記号」があります。
ト音記号は高音部、ヘ音記号は低音部を表します。
ト音記号の下の【ド】と、ヘ音記号の上の【ド】が、同じ高さの音です。
ト音記号
ト音記号の真ん中のクルクルは、五線譜の第2線にかかっています。
五線譜の第2線は【ソ】の音ですが、日本の音名では【と】になります。そのため、この記号を「ト音記号」といいます。
【ソ】の音は英語で【G】なので、ト音記号は【G】を図案化した形になっています。
ヘ音記号
ヘ音記号の右の点々は、五線譜の第4線を挟んでいます。
五線譜の第4線は【ファ】の音ですが、日本の音名では【へ】になります。そのため、この記号を「ヘ音記号」といいます。
【ファ】の音は英語で【F】なので、ヘ音記号は【F】を図案化した形になっています。「ヘ音記号」の右の点々は、【F】の横線です。
ハ音記号
ハ音記号は、Cを左右逆にしたような形のものが上下に2つ並んでいますが、その間が【ド】の音です。
【ド】は、日本の音名では【は】になります。そのため、この記号を「ハ音記号」といいます。
【ド】の音は英語で【C】なので、ハ音記号は【C】を図案化した形になっています。
ハ音記号は、声楽のときに使われます。
拍子記号の意味と由来
1小節の中に、何音符がいくつ入るのかを表しているのが「拍子記号」です。
拍子記号は、分数ではありません。下の数は基準となる音符を、上の数は基準となる音符が1小節の中にいくつ入るのかを表しています。
たとえば、下の表の【4分の2拍子】は、4分音符が1小節の中に2個入ることを示しています。
【4分の4拍子】は、【C】で表すことがあります。これは、「○」が欠けていることを表しています。
3拍子の曲は、キリスト教の三位一体の考えから、完全を表す円形「○」で表されていました。
「3」が完全であるのなら、「4」や「2」は不完全な数字です。そこで、4拍子は「○」が半分になっている半円形で表していました。それがだんだんと英字の「C」に置き換えられていったそうです。
同じような理由から、2拍子は半円形「C」を半分に割る縦棒が入っています。
ヨーロッパではワルツなど3拍子の曲がたくさんあるのは、このような理由からなのでしょうね。
調号の種類
音部記号と拍子記号の間には、「調号」が書かれることがあります。
調号とは、その曲の「キー」を表しています。
キーについては、ギター初心者のためのキーとスケール解説!ドレミがわかればOKで詳しく解説しています。
下の表では、「調号」と長調や短調の名前をまとめています。
長調・短調の名前は、調号の一番右側にある「♯」や「♭」の位置を見ればわかります。
「♯」や「♭」を手がかりに【ド】の音をみつけ、その【ド】がハ長調では何の音なのかを探します。その音名を使って長調がわかります。そして、短調はその2つ下の音名です。
♯の調号
たとえば、「♯」が1個のト長調(Gメジャー)で考えてみましょう。
調号の一番右側にある「♯」は【シ】です。となると、その1音上が【ド】です。この音の音名は【ソ】です。
【ソ】は【ハニホヘト】の【ト】、【CDEFG】の【G】です。それで、この調号はト長調(Gメジャー)になります。
短調は、2つ前の音を使って表します。【ハニホヘト】の【ト】の2つ前は【ホ】、【CDEFG】の【G】の2つ前は【E】です。だから、ホ短調(Eマイナー)になります。
♭の調号
次に、「♭」が1個のヘ長調(Fメジャー)も確認してみましょう。
調号の一番右側にある「♭」は【ファ】です。【ファミレド】と下がると、3つ前の音が【ド】です。この音の音名は【ファ】です。
【ファ】は【ハニホヘ】の【ヘ】、【CDEF】では【F】になります。それで、この調号はヘ長調(Fメジャー)になります。短調は2つ前の音なので、ニ短調(Dマイナー)となるわけです。
まとめ:五線譜の読み方!音符と休符、記号と調号の意味・由来
ここまで、音符と休符、記号と調号などの意味や由来を解説してきました。
- 楽譜が生まれた理由
- 五線譜の概要
- 音名の種類と使われ方
- 音符と休符の種類
- 音部記号の意味と由来
- 拍子記号の意味と由来
- 調号の種類
楽譜が読めなくても音楽を楽しむことはできますが、グループで演奏するときには楽譜が読めると便利です。
意味だけでなく、どうしてそうなったのかなど由来についても知っておくと、楽しく学べると思います。
この記事を活用して、五線譜の基本的な内容を知ってください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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