ギターで美しい響きの変則チューニング!種類とやり方[動画あり]

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音楽を聞いていると、ギターの響きが「美しいなぁ」と感じることがあります。

しかし、弾き方は全くわかりません。

どうやらレギュラーチューニングではなく、変則チューニングで弾いているようです。

そこでこの記事では、美しい響きを奏でる変則チューニングの種類とやり方を解説します。

どうぞ最後までお読みください。

もくじ

変則チューニングのメリット・デメリット

まず始めに、レギュラーチューニングと比べたとき、変則チューニングにはどのような「長所=メリット」があるのか、また、「短所=デメリット」があるのかを解説します。

変則チューニングのメリット

例外はありますが、変則チューニングのメリットとして、次の5つが挙げられます。

  • 開放弦を使ったフレーズの響きが美しい
  • 開放弦の音だけで特定のコードになる
  • ボトルネックを使った演奏がやりやすい
  • 曲全体のサウンドに厚みが出せる
  • 聞いている人にインパクトを与える

それぞれ解説します。

開放弦を使ったフレーズの響きが美しい

変則チューニング 美しい響き

変則チューニングの特徴として、開放弦の音を使った響きが美しいことが挙げられます。

たとえば、開放弦でDsus4が鳴るDADGADチューニングでは、開放弦の音を効果的に使うことで、北欧のアイリッシュ的な美しい響きになります。

開放弦の音だけで特定のコードになる

変則チューニング 特定のコード

変則チューニングの多くは、開放弦の音だけで特定のコードになります。

そのような変則チューニングでは、指1本で弦をセーハ(複数弦を押さえる)することで別のコードになるので、楽にギターを弾くことができます。

ボトルネックを使った演奏がやりやすい

変則チューニング ボトルネック奏法

指1本でコードを鳴らすことができる変則チューニングでは、スライドバーを使ったボトルネック奏法がやりやすくなります。

レギュラーチューニングでは単音しか鳴らせなかったボトルネック奏法でも、変則チューニングではコードを鳴らすことができるので、演奏の幅が広がります。

曲全体のサウンドに厚みが出せる

変則チューニング サウンドに厚み

変則チューニングでは、単純なメジャーやマイナーのコードだけでは鳴らない音を響かせることができます。

そのため、単調な曲であっても、複雑な音が響く変則チューニングを組み合わせることにより、サウンドの深みや厚みが増します。

聞いている人にインパクトを与える

変則チューニング インパクト

変則チューニングは、レギュラーチューニングでは出せない音が鳴るので、聞いている人にインパクトを与えます。

特に、ギターを弾いたことがある人にとっては、変則チューニングでの演奏を聞くと、「どうやって弾いているのだろうか?」という疑問をもつので、効果は絶大です。

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以上、変則チューニングの5つのメリットを解説しました。

次に、変則チューニングのデメリットを解説します。

変則チューニングのデメリット

変則チューニングのデメリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 特別な弾き方をしなければならない
  • その都度チューニングをしなければならない
  • ギターのネックに無理な力を与えることがある
  • 弦を交換しなければならないことがある

それぞれ解説します。

特別な弾き方をしなければならない

変則チューニング 特別な弾き方

変則チューニングは、各弦の音がレギュラーチューニングとは違うので、特別な弾き方をしなければなりません。

そのため、各変則チューニングごとに弾き方を覚える必要があります。

これは、レギュラーチューニングに慣れている人にとっては、大きなストレスになります。

変則チューニングの最大のデメリットは、それぞれの変則チューニングに合わせて特別な弾き方をしなければならないことです。

その都度チューニングをしなければならない

変則チューニング その都度チューニング

変則チューニングでは、その都度チューニングをしなければなりません。

複数本の弦のピッチを変える変則チューニングでは、ネックにかかる力が変わるので、全弦の再チューニングが必要になります。

たとえば、DADEADチューニングでは、1・2・3・6弦を2音または3音下げるため、ネックにかかる力が小さくなります。そのため、チューニングを変更しない4・5弦のピッチも変わってしまいます。

このように、変則チューニングでは、その都度6本の弦をチューニングしなければならないのです。

ギターのネックに無理な力を与えることがある

変則チューニング ネックに無理な力

変則チューニングは、ネックに無理な力を与えることがあります。

たとえば、オープンEチューニングでは、3・4・5弦を半音または1音上げるため、ネックにかかる力がかなり大きくなります。そのため、弦が切れたりネックが反ってしまったりするなど、ギターにダメージを与えることがあります。

ネックに大きな力を加えるような変則チューニングは、ギターの状態を監視しながら慎重に行わなければなりません。

弦を交換しなければならないことがある

変則チューニング 弦交換

音程を上げる変則チューニングでは、ギターを守るために、細い弦に変えた方がいい場合があります。

反対に、音程を下げる変則チューニングでは、サウンドを確保するために、太い弦に変えた方がいい場合もあります。

このように、弦を変えた方がいい変則チューニングもあるのです。

このことも、変則チューニングのデメリットとして挙げられます。

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それでは次に、変則チューニングの種類とやり方を解説していきます。

変則チューニングの種類とやり方

ギターには、数多くの変則チューニングが存在しています。

なぜならば、これまで多くのギタリストが自分なりの演奏を実現するために、様々な変則チューニングを開発してきたからです。

そこでここでは、変則チューニングを3種類のタイプに分類します。

  • オープンチューニング
  • ドロップチューニング
  • その他の変則チューニング

ひとつずつ解説していきます。

オープンチューニング

変則チューニングの多くは、開放弦を鳴らすだけで特定のコード(和音)が響くオープンチューニングです。

オープンチューニングには、メジャー系のものとマイナー系のものがあります。

メジャー系のオープンチューニングでは、GとAが1音違い、DとEが1音違いです。

  • オープンG <1音違い> オープンA
  • オープンD <1音違い> オープンE

また、マイナー系のオープンチューニングでは、GmとAmが1音違い、DmとEmが1音違いです。

  • オープンGm <1音違い> オープンAm
  • オープンDm <1音違い> オープンEm

1音違いとは、ギターでは2フレット分音程が違うということです。

ひとつずつ解説します。

・オープンGチューニング

オープンGチューニングは、オープンチューニングの中でも使われることが多いチューニングです。

開放弦を鳴らすとGメジャーが響きます。

ベース音がある5弦を響かせるとサウンドが安定します。

変則チューニング オープンGチューニング

表中の(-2)は、2フレット分音程を下げることを意味しています。

音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。[以下同様]

解説記事の最後に演奏動画があります。ぜひご覧ください。

・オープンAチューニング

オープンAチューニングは、オープンGチューニングの各弦を1音上げたチューニングです。

オープンGチューニングでカポタストを2フレットにつけると、オープンAチューニングになります。

カポタストを使用せずオープンAチューニングにする場合は、弦の張りが強くなるので、細い弦に変えた方がいいことがあります。

変則チューニング オープンAチューニング

表中の(+2)は、2フレット分音程を上げることを意味しています。

・オープンDチューニング

オープンDチューニングも、オープンGチューニングと同様に、多くのギタリストによって演奏されます。

開放弦を鳴らすとDメジャーが響きます。

ベース音は6弦と4弦にあるので、低音を響かせたいときは6弦、高音をキラキラさせたいときは4弦を使うといいでしょう。

3弦を半音上げるとDsus4が鳴るDADGAD(ダドガド)チューニングになります。

変則チューニング オープンDチューニング

・オープンEチューニング

オープンEチューニングは、オープンDチューニングの各弦を1音上げたチューニングです。

オープンDチューニングでカポタストを2フレットにつけると、オープンEチューニングになります。

カポタストを使用せずオープンEチューニングにする場合は、弦の張りが強くなるので、細い弦に変えた方がいいことがあります。

変則チューニング オープンEチューニング

・オープンGmチューニング

オープンGmチューニングは、オープンGチューニングの2弦を半音下げたチューニングです。

開放弦を鳴らすとGmが響きます。

もの悲しく哀愁を帯びた響きが特徴です。

ベース音がある5弦を響かせるとサウンドが安定します。

2弦の1フレットを押さえるとGメジャーになるので、メジャーコードを弾くのも比較的簡単です。

変則チューニング オープンGmチューニング

解説記事の最後に演奏動画があります。ぜひご覧ください。

・オープンAmチューニング

オープンAmチューニングは、オープンGmチューニングの各弦を1音上げたチューニングです。

オープンGmチューニングでカポタストを2フレットにつけると、オープンAmチューニングになります。

カポタストを使用せずオープンAmチューニングにする場合は、弦の張りが強くなるので、細い弦に変えた方がいいことがあります。

変則チューニング オープンAmチューニング

・オープンDmチューニング

オープンDmチューニングは、開放弦を鳴らすとDmが響くチューニングです。

オープンDチューニングと同様に、ベース音は6弦と4弦にあるので、低音を響かせたいときは6弦、高音をキラキラさせたいときは4弦を使うといいでしょう。

3弦の1フレットを押さえるとDメジャーになるので、メジャーコードを弾くのも比較的簡単です。

変則チューニング オープンDmチューニング

・オープンEmチューニング

オープンEmチューニングは、オープンDmチューニングの各弦を1音上げたチューニングです。

オープンDmチューニングでカポタストを2フレットにつけると、オープンEmチューニングになります。

カポタストを使用せずオープンEmチューニングにする場合は、弦の張りが強くなるので、細い弦に変えた方がいいことがあります。

変則チューニング オープンEmチューニング

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ここまで紹介したオープンG・Gm・A・Am・D・Dm・E・Em以外にも、オープンチューニングがあります。

  • オープンCチューニング
  • オープンC6チューニング

ひとつずつ解説します。

・オープンCチューニング

オープンCチューニングは、開放弦を鳴らすとCメジャーが響く変則チューニングです。

ピアノの白鍵だけで弾けるような曲に合います。

4弦と5弦を交互に弾くと、カーターファミリー奏法のような効果が出せます。

ベース音を低く響かせたいときは、6弦のEを2音下げ(-4)てCにする方法もあります。

変則チューニング オープンCチューニング

・オープンC6チューニング

オープンC6チューニングは、スチールギターでよく使われるチューニングです。

スチールギターは、日本ではハワイアン音楽でよく使われていて、ギターを上に向けたように弾くギターです。スライドバーを使って弾くので、音程の変化が無段階のボトルネック奏法と同じようなサウンドになります。

アコースティック・ギターのような大きなボディーは無く、ネックについている金属のフレットバーもありません。

オープンC6チューニングのやり方は色々ありますが、ここでは例を1つ挙げます。

変則チューニング オープンC6チューニング

ドロップチューニング

ドロップチューニングとは、6弦だけを1音下げるドロップDチューニングが基本となるチューニングです。

ドロップDチューニングを応用したものとして、ドロップDチューニングを全弦半音下げたドロップC#チューニングや、ドロップDチューニングから5弦を1音下げたドロップGチューニングがあります。

  • ドロップDチューニング
  • ドロップC#チューニング
  • ドロップGチューニング

ひとつずつ解説します。

・ドロップDチューニング

ドロップDチューニングでは、5・6弦をセーハ(1本の指で押さえる)するとパワーコードになります。

そのため、ロックなどのジャンルでよく使われます。

また、レギュラーチューニングではDコードのベース音が高音なので、全体のバランスを良くするために、6弦をDにするこのチューニングが使われることがあります。

そのため、メロディーと伴奏を同時に弾く「ソロギター演奏」などでもよく使われます。

変則チューニング ドロップDチューニング

解説記事の最後に演奏動画があります。ぜひご覧ください。

・ドロップC#チューニング

ドロップC#チューニングは、ドロップDチューニングの各弦を半音下げたチューニングです。

ロックなどで多用される「半音下げチューニング」の6弦を、さらに1音下げたチューニングともいえます。

ヘヴィーで太いサウンドが出せる「半音下げチューニング」を、さらにロック仕様にしたチューニングというわけです。

変則チューニング ドロップC#チューニング

・ドロップGチューニング

ドロップGチューニングは、ドロップDチューニングの5弦を1音下げたチューニングです。

メロディーと伴奏を同時に弾く「ソロギター演奏」などで使われることが多いチューニングです。

5・6弦の音程がレギュラーチューニングと同じなので、ベース音が弾きやすくなります。

変則チューニング ドロップGチューニング

その他の変則チューニング

その他の変則チューニングを5つ紹介します。

最も有名なのがDADGAD(ダドガド)ですが、DADGAD(ダドガド)の親戚がDADEAD(ダデッド)です。

また、DGDGCDの親戚がDGDGADです。

さらに、開放弦を鳴らすとGが響くGBDGBDは、オープンGチューニングの親戚といえるでしょう。

  • DADGAD <親戚> DADEAD
  • DGDGCD <親戚> DGDGAD
  • オープンGチューニング <親戚> GBDGBD

ひとつずつ解説します。

・DADGADチューニング

DADGADチューニングは、とても有名な変則チューニングです。

このチューニングで演奏された曲が数多くあります。

このチューニングは、別名「オープンDsus4チューニング」と呼ばれることがあるように、開放弦を鳴らすとDsus4が響きます。

そのため、キーがDの曲に合うチューニングです。

常に開放弦の音を鳴らすことで、アイリッシュ系の民族的な響きになります。

変則チューニング DADGAD

解説記事の最後に演奏動画があります。ぜひご覧ください。

・DADEADチューニング

DADEADチューニングは、北欧の民族的な雰囲気がDADGADよりも強く感じられるチューニングです。

DADGADが「ダドガド」「ダッドガッド」と呼ばれるのに対して、DADEADは「ダデッド」と呼ばれることがあります。

開放弦を鳴らすとD9が響きます。

変則チューニング DADEAD

解説記事の最後に演奏動画があります。ぜひご覧ください。

・DGDGCDチューニング

DGDGCDチューニングは、開放弦を鳴らすとGsus4が響きます。

そのため、キーがGの曲に合うチューニングです。

DADGAD(ダドガド)はベース音が6弦にありましたが、このチューニングは5弦にベース音があります。

変則チューニング DGDGCD

・DGDGADチューニング

DGDGADチューニングは、DGDGCDチューニングの2弦がAになったチューニングです。

DGDGCDチューニングと同様に、キーがGの曲に合うチューニングです。

開放弦を鳴らすとG9が響きます。

変則チューニング DGDGAD

・GBDGBDチューニング

GBDGBDチューニングは、 開放弦を鳴らすとGメジャーが響きます。

オープンGチューニングとの違いは、5・6弦です。

オープンGチューニングでは、5・6弦を1音ずつ下げて「G・D」にしたのに対して、GBDGBDチューニングでは、5弦を1音上げて「B」に、6弦を1音半上げて「G」にします。

9thなどの音が含まれていないので、ストレートな響きが特徴です。

注意すべき点は、5・6弦の音程を上げているので、ネックに負担がかかることです。細い弦に変えるなどの対策をした方が安全です。

変則チューニング GBDGBD

変則チューニングの演奏例

解説の最後として、5つの変則チューニングで演奏した動画を収録しました。

  1. オープンGチューニング
  2. オープンGmチューニング
  3. ドロップDチューニング
  4. DADGADチューニング
  5. DADEADチューニング

どうぞご覧ください。

動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。

まとめ:ギターで美しい響きの変則チューニング!種類とやり方

ここまで、変則チューニングの種類とやり方を解説してきました。

変則チューニングのメリット・デメリット
 変則チューニングのメリット
 変則チューニングのデメリット

変則チューニングの種類とやり方
 オープンチューニング
 ドロップチューニング
 その他の変則チューニング

変則チューニングは、レギュラーチューニングでは出せない美しい響きがあります。

だから、多くのギタリストが試行錯誤しながら開発してきたのでしょう。

ぜひあなたも変則チューニングに挑戦して、美しい響きを体感してください。

この記事があなたの一助になれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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