伊勢正三さんが作詞作曲し、かぐや姫が1974年に発表したLP『三階建の詩』に収録されている「22才の別れ」で有名になったナッシュビルチューニング。
編曲したのは、ギタリストとしてもアレンジャーとしても有名な石川鷹彦さん。
あのキラキラとしたサウンドはとても魅力的ですが、ナッシュビルチューニングはどのようなチューニングなのでしょうか。
そこでこの記事では、ナッシュビルチューニングについて、使用する弦や弾き方、注意点を解説します。
どうぞ最後までお読みください。
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もくじ
ナッシュビルチューニングで使用する弦
ナッシュビルチューニングは、通常の弦が張られているギターではできません。
なぜならば、ナッシュビルチューニングでは、3〜6弦がレギュラーチューニングより1オクターブ高いからです。
1オクターブ高い音にするには、通常の弦では無理なので、3〜6弦に別の弦を張らなければなりません。
そのため、ナッシュビルチューニングをするためには、専用のギターが1本必要になります。
そのことを踏まえた上で、ナッシュビルチューニングを行ってください。
ナッシュビルチューニングのやり方は、3通りあります。
- ナッシュビルチューニング用の弦を使う
- 12弦ギターの副弦(細い方の弦)を使う
- 6弦ギターの1〜4弦を3〜6弦に張る
それぞれのやり方を解説します。
ナッシュビルチューニング用の弦を使う
ナッシュビルチューニングをするのに最も簡単な方法は、ナッシュビルチューニング用の弦を使うことです。
ナッシュビルチューニング用の弦を使えば、後ほど解説する注意点を心配する必要はありません。
D’Addario(ダダリオ)が、ナッシュビルチューニング用の弦を販売しています。
12弦ギターの副弦(細い方の弦)を使う
ナッシュビルチューニングは、12弦ギターの副弦(細い方の弦)を6本使えばできます。
残った6本の弦は、レギュラーチューニングのギターに使えます。
つまり、12弦ギター用の弦を用意すれば、次の2本のギターに弦を張ることができるということです。
- レギュラーチューニングのギター
- ナッシュビルチューニングのギター
ギターを2本持っていて、1本はナッシュビルチューニング用にするのなら、とても都合がいいですね。
ちなみに、12弦ギターは、各弦の細い方を副弦、太い方を主弦といい、6弦ギターと同じように6弦側から[(E)E・(A)A・(D)D・(G)G・(B)B・(E)E]にチューニングします。
ただし、3〜6弦の副弦は主弦より1オクターブ高くなっています。
1・2弦の主弦と副弦は、同じ高さ(ユニゾン)です。そのため、1・2弦の主弦と副弦は、同じ弦を張ります。
6弦ギターの1〜4弦を3〜6弦に張る
ナッシュビルチューニングは、6弦ギターの1〜4弦を3〜6弦に張ることでもできます。
この方法では、弦が2セット必要になります。
2セット12本の弦のうち、ナッシュビルチューニングで使う弦は、1弦側から1・2・1・2・3・4弦になります。
2セットの弦を使ってナッシュビルチューニングをすると、3・4・5・5・6・6弦が残ります。
残った弦の使い道に困るので、この方法でナッシュビルチューニングをする場合は、6本セットの弦を2セット購入するより、バラ売りの弦を用意した方がいいでしょう。
ナッシュビルチューニングの注意点
ナッシュビルチューニングは、注意しておいた方がいいことがあります。
それは、6弦ギターの1〜4弦を3〜6弦に張る方法を行ったときです。
この場合、3〜6弦は、本来のレギュラーチューニングよりも高い音にチューニングすることになります。
たとえば、本来の1弦はEの音ですが、それを3弦の位置に張ってGの音に合わせます。つまり、本来の音よりも1音半(3フレット分)高い音に合わせるということです。
その他の弦についても同様に、本来の音よりも1音から1音半高い音に合わせます。(下表参照)
1弦は、6本の弦の中で最も細い弦です。それを1音半(3フレット分)も上げるわけですから、演奏中に弦が切れる心配があります。
これに対処する方法は、2通りあります。
- 全弦を1音または1音半下げてチューニングする
- エレクトリックギター(エレキ)の弦を使う
それぞれの方法を解説します。
全弦を1音または1音半下げてチューニングする
ナッシュビルチューニングの全弦を、1音または1音半下げてチューニングすることで、弦の負担を減らします。
1音半下げチューニングでは、3弦の位置に張っている本来の1弦は、通常の高さEになります。
また、その他の弦も、通常の高さか半音低い高さになるので、弦が切れる心配はレギュラーチューニングのときよりも低くなります。
1音下げや1音半下げチューニングをした場合、通常の高さで弾くためには、カポタストを使います。
1音下げチューニングのときは、カポタストを2フレットにつけます。
1音半下げチューニングのときは、カポタストを3フレットにつけます。
このように、音程を下げてチューニングすることで、弦が切れる心配を減らすことができます。
エレクトリックギター(エレキ)の弦を使う
エレクトリックギター(エレキ)の弦を使うことで、弦の負担を減らします。
エレキの弦はフォークギター(アコギ)の弦よりも細いので、弱い張力で高い音が出ます。
フォークギターで一般的なライトゲージの1弦の太さは0.012インチですが、エレキのライトゲージの太さは0.010インチ、スーパーライトゲージだと0.009インチです。
エレキの3弦はアコギの3弦と違って裸弦ですが、その音色の方がナッシュビルチューニングに合っています。
このように、アコギの弦よりも細いエレキの弦を使うことで、弦が切れる心配を減らすことができます。
ナッシュビルチューニングでの弾き方
ナッシュビルチューニングは、レギュラーチューニングのギターと同じように弾くことができます。
なぜならば、ナッシュビルチューニングもレギュラーチューニングと同じように、6弦側から順に[E・A・D・G・B・E]にチューニングするからです。
ところが不思議なことに、同じように弾いてもキラキラとしたサウンドになるのです。
そこで次は、ナッシュビルチューニングの特徴を生かした弾き方について解説します。
ナッシュビルチューニングの特徴を生かした弾き方
ナッシュビルチューニングは、多くの音を別々に出す弾き方をすることでキラキラ感が増します。そのため、ストロークよりもアルペジオの方が、特徴を生かした弾き方だといえます。
ナッシュビルチューニングがキラキラとする理由は2つあります。
- ギター全体の音が高い
- 9thの音が響く
ナッシュビルチューニングの3〜6弦は、本来の音よりも1オクターブ高い音です。そのため、キラキラと高音が響きます。
また、1弦と4弦、2弦と5弦は1音違いなので、連続で弾くと9thの音が響きます。この9thの響きが、ナッシュビルチューニング独特のキラキラ感を生んでいるのです。
このキラキラ感の気持ちよさは、一度弾いたら病みつきになります。(^o^)
このように、ナッシュビルチューニングの特徴を引き出すためには、アルペジオが適しています。
もちろん、ストロークで弾いても独特の雰囲気を出すことができるので、次の演奏例を参考にいろいろ試してみてください。
ナッシュビルチューニングの演奏例
ナッシュビルチューニングとレギュラーチューニングを比べた演奏動画を見て、響きの違いを確認してください。
動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
まとめ:キラキラのナッシュビルチューニング!弦と弾き方と注意点
ここまで、ナッシュビルチューニングで使用する弦と弾き方、注意点について解説してきました。
ナッシュビルチューニングで使用する弦
・ナッシュビルチューニング用の弦を使う
・12弦ギターの副弦(細い方の弦)を使う
・6弦ギターの1〜4弦を3〜6弦に張る
ナッシュビルチューニングの注意点
・全弦を1音または1音半下げてチューニングする
・エレクトリックギター(エレキ)の弦を使う
ナッシュビルチューニングでの弾き方
・ナッシュビルチューニングの特徴を生かした弾き方
・ナッシュビルチューニングの演奏例
ぜひあなたも私と同じように、ナッシュビルチューニングが生み出す、あのキラキラとしたサウンドに魅了されてください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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