ギターを弾きながら歌を歌う「弾き語り」は、憧れのアーティストのようにカッコよく演奏したいですよね。
しかし、いざ始めてみると、思うように歌と演奏を合わせることができず、挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ギター初心者が「弾き語り」でつまずく原因と、その対策を詳しく解説します。
この解説を参考に練習することで、あなたも素敵な弾き語りをマスターできるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
もくじ
2つのことを同時に行っている「弾き語り」
人間は2つの異なることを同時に行うことができるので、「弾き語り」のようにギターを弾きながら歌を歌うことができます。
これは、自転車をこぎながら会話をすることに似ています。自転車が倒れないようにバランスをとりながら走らせつつ、会話の流れを切らさずに話を続けるという2つの異なることを同時に行っています。
では、ギター初心者はなぜ「弾き語り」でつまずいてしまうのでしょうか。
その原因をつきとめるために、「弾き語り」のときにやっていることを細かく見ていきましょう。
「弾き語り」でやっている多くのこと
「弾き語り」では、かなり多くのことを同時にやっています。
まずは、「弾き語り」をしている下のイラストを見てください。

歌を歌うときは、歌詞やメロディーを思い出し、口を動かして声を出します。
ギターを弾くときは、右手はリズムを刻むためにストロークやアルペジオを行います。また、左手は現在のコードを押さえつつ次のコードを思い出し、コードチェンジを繰り返します。
これらのことを全て同時に行うのが「弾き語り」です。とても多くのことを同時にやっていることがわかりますね。
「弾き語り」でつまずく原因は、この中にあるのです。
そこで次は、「弾き語り」でつまずく原因を考えていきましょう。原因がわかれば、その対策法も必ずみつかります。
「弾き語り」でつまずく原因とその対策
「弾き語り」でつまずく原因を、ギターを弾くことと歌を歌うことに分けて考えていきます。
ギターに原因がある場合
ギター初心者が「弾き語り」でつまずく主な原因は、ギターを弾くことにあります。
ギター初心者は、コードチェンジの度に止まったり、ストロークのリズムが崩れたりするからです。
ギター演奏が止まったりリズムが崩れたりすれば、「弾き語り」は成立しません。
つまり、「弾き語り」でつまずかないようにするポイントは、一定のリズムでギターを弾くことになります。
では、どうすれば一定のリズムでギターを弾くことができるのでしょうか。
ギター初心者は、まずコードを正しく押さえることを練習します。そして、複数のコードが押さえられるようになったら、素早くコードチェンジする練習に移ります。
しかしその結果、コードチェンジの度に演奏が止まったりリズムが崩れたりしているのです。これでは、「弾き語り」はできませんね。
ですから、一定のリズムでギターを弾くためには、このような練習方法を変えなければなりません。
つまり、「コードは正しく押さえない」「コードチェンジは素早くやらない」ようにするのです。
もちろん、コードは正しく押さえられた方がいいし、コードチェンジも素早くできた方がいいのですが、ここではその目標を捨て、リズムをキープすることに集中して練習するのです。
そんなことをしたらギターが上手くならないのではないかと思うかも知れませんが、心配する必要はありません。
実は、一定のリズムでギターを弾くことに集中することで、正しくコードを押さえることも、コードチェンジを素早く行うこともできるようになるからです。
自転車に乗る練習をしたときを思い出してください。倒れないようにしようと思っていたときは転んでいたのに、目標地点に向かって一心に走ろうとしたら倒れなくなっていたのではないでしょうか。
ギターもこれと似ています。コードを正しく押さえようとするとコードチェンジで止まってしまいますが、一定のリズムでギターを弾こうとすると、コードが正しく押さえられるようになり、素早くコードチェンジもできるようになるのです。
つまり、一定のリズムでギターを弾く練習をすることで、ギターの技術レベルが格段に上がるのです。
ここまでわかったところで、次は具体的な練習方法を紹介します。
- ピックは最もやわらかいSHINを使う
- 右手は単純なストロークパターンで弾く
- 左手のコードチェンジは時間をかけて行う
それぞれ解説します。
・ピックは最もやわらかいSHINを使う
使用するピックは、最もやわらかい「THIN」または「SOFT」にします。形はおにぎり型がいいでしょう。

なぜならば、ピックが固いと弦にひっかかりやすくなるため、一定のリズムでギターを弾くことが難しくなるからです。
ピックの固さによって、ギターの音色は変わります。しかし、ここでは、一定のリズムでギターを弾くことが目的なので、最もやわらかいものが適しています。
ピックの持ち方は、ギター初心者必見!フラットピックは正しく持つと上手くなるで詳しく解説しているので、参考にしてください。
・右手は単純なストロークパターンで弾く
一定のリズムでギターを弾くために、右手は最も単純なストロークパターンで弾きます。
具体的には、ダウンストロークとアップストロークを繰り返す8ビートのストロークパターンです。

「ダウン」「アップ」は、ダウンストロークとアップストロークを表しています。
「1表」は「1拍目の表拍子」、「1裏」は「1拍目の裏拍子」です。
「1と2と・・」「ジャ・カ・ジャ・カ・・」は、声に出す言葉です。どちらかを声に出しながらギターを弾くことで、リズムが一定になります。
大切なのは、リズムをくずさないことです。コードが正しく押さえられていなくても、コードチェンジができていなくても、絶対にリズムをくずさないようにします。
・左手のコードチェンジは時間をかけて行う
一定のリズムでギターを弾くために、コードチェンジに時間をかけても構いません。
コードチェンジに時間がかかっても、一定のリズムになることを優先させます。
CからGに変わるコードチェンジを例に、具体的な方法を3つのステップで解説します。
【ステップ1】
一定のリズムでギターを弾くためには、コードチェンジを始めるタイミングが重要です。
なぜならば、Gコードに変わった始めの1拍目に、しっかりとGの和音を鳴らさなければならないからです。
下のストローク譜を見てください。コードチェンジはCコードを押さえている後半から始めます。3拍目と4拍目を使って、ゆっくりコードチェンジをしても大丈夫です。

大切なことは、コードチェンジをしている間も、右手は一定のリズムでストロークを続けるということです。
コードチェンジをしている間は、正しく弦を押さえていなくても、おかしな音が鳴っていてもいいのです。それよりも、リズムキープを優先させます。
3・4拍目を使ったコードチェンジができるようになったら、次のステップに進みます。
【ステップ2】
コードチェンジ開始のタイミングは、4拍目を目標にします。
下のストローク譜のように、4拍目は指を弦から離して次のGコードに備えます。

そして、Gコードに変わった始めの1拍目では、しっかりとGの和音を鳴らします。
このタイミングでコードチェンジができるようになったら、次のステップに進みます。
【ステップ3】
コードチェンジ開始の理想のタイミングは、4拍目の裏拍です。
4拍目の裏拍のときに指を弦から離してアップストロークをリズミカルに軽く弾き、次のGコードの頭でジャンと和音を鳴らします。

とてもスローテンポな曲を除いて、4拍目の裏拍までCの和音を鳴らす必要はありません。最後の半拍だけ開放音が鳴りますが、全く違和感はありません。
4拍目の裏拍で指を弦から離してコードを変えるのが、コードチェンジの理想型です。
ギターという楽器は、上級者であってもコードチェンジにある程度の時間が必要です。そのため、「弾き語り」に限らずコードストロークをするときには、コードと違う音が鳴っているのです。
テンポの速い曲では、【ステップ2】のように4拍目にコードチェンジを始めた方がリズミカルになる場合もあります。ケースバイケースですが、リズムをくずさないことが大切なことは変わりません。
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コードチェンジについては、初心者必見!ローコードにおけるコードチェンジのコツ[動画あり]で詳しく解説しています。
歌に原因がある場合
ギター初心者の場合、「弾き語り」でつまずく原因のほとんどはギターにあるいっていいでしょう。
しかし、まれに歌を歌うことに原因があることがあります。
そこで次は、歌でつまずいてしまう人の対策を考えていきます。
歌でつまずく原因は2つあります。
- メロディーがわからない
- 歌詞がわからない
それぞれの対策を解説します。
・メロディーがわからない
そもそも、知らない曲を「弾き語り」する人はいませんね。
オタマジャクシが並んでいる楽譜を読むことができる人ならば、全く知らない曲でも「弾き語り」はできますが、基本的にメロディーは知っていないと「弾き語り」はできません。
しかし、サビのメロディーは知っていても、その他のところはうろ覚えということはよくあることです。
「弾き語り」をする前には曲をよく聞き、メロディーは確実に覚えておきましょう。
・歌詞がわからない
「弾き語り」をしたいけど、歌詞がわからないことはよくあります。
そのような場合は、パッと見て歌詞が読み取れるものを用意しましょう。
「弾き語り」に適している楽譜は、歌詞とコードだけが書かれているコード譜です。
<コード譜の例>

コード譜には、コードダイアグラムがあるものもありますが、歌詞を知ることが目的なら余計な情報が無い方が見やすいでしょう。
<コードダイアグラムがあるコード譜の例>

「弾き語り」に適したコード譜を準備することで、歌詞がわからずに曲が止まってしまうことがなくなります。
コード譜は自分で作ることができます。コード譜を作ることで、歌詞やコード進行を覚えることができるので、実際に「弾き語り」をするときにつまずくことが少なくなります。
コード譜を自分で作ることが、楽しく「弾き語り」をするための近道になるのではないでしょうか。
「弾き語り」のギター演奏例
ギター伴奏とメロディーを2重録音した「歌わない弾き語り」動画をご覧ください。
コード変更直前の半拍で指を弦から離してコードチェンジを始め、次の1拍目にジャランとコードを鳴らしています。
自然なギター演奏になっていることを確認してください。
動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
まとめ:ギターで弾き語り!初心者がつまずく原因とその対策
ここまで、ギターの「弾き語り」で初心者がつまずく原因とその対策について解説してきました。
2つのことを同時に行っている「弾き語り」
「弾き語り」でやっている多くのこと
「弾き語り」でつまずく原因とその対策
ギターに原因がある場合
・ピックは最もやわらかいSHINを使う
・右手は単純なストロークパターンで弾く
・左手のコードチェンジは時間をかけて行う
歌に原因がある場合
・メロディーがわからない
・歌詞がわからない
「弾き語り」のギター演奏例
憧れのアーティストのようにカッコよく「弾き語り」ができたら、ギターを弾く喜びが味わえますね。
ぜひあなたもこの記事を参考に「弾き語り」を楽しんでください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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