ギター初心者は、最初の練習として、ローコードを押さえることから始めますね。
たとえば、Cコードを押さえて弦を1本ずつはじき、どの音が出たとか、どの音が出ないとか・・。
そして次にやるのが、コードチェンジです。
ところが、1つ1つのコードを押さえるのでさえ苦労するため、コードチェンジの度に演奏が止まってしまいます。
その結果、「どうやったらスムーズにコードチェンジできるのだろうか? そうだ、ネットで調べてみよう!」となります。
それでたどり着くのが、「コードチェンジが簡単にできるコツ」や「コードチェンジを速くする方法」です。
私は勝手に、このコードチェンジのやり方を『あるあるコードチェンジ法』と名づけました。笑
この『あるあるコードチェンジ法』は、確かに合理的に思えるのですが、初心者が実際にやってみてもうまくいきません。
それもそのはずです。
ギターが弾ける人は、『あるあるコードチェンジ法』ではコードチェンジをしていないからです。
では、ギターが弾ける人はどのようにコードチェンジをしているのでしょうか。
この記事を読めば、現実的なコードチェンジの方法がわかり、スムーズにコードチェンジができるようになります。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
『あるあるコードチェンジ法』とは
ギター初心者はコードチェンジで必ずつまずくので、ネット上には数え切れないほどコードチェンジのコツを解説した情報があふれています。
そのほとんどは、次のようにすればコードチェンジがスラスラできると解説しています。
- 前後のコードの「共通音」と「似た形」をみつける
- 「共通音」は押さえたまま指を動かさない
- 「似た形」はその形のまま指をずらす
これを私は『あるあるコードチェンジ法』と呼んでいます。
よく見かけるコードチェンジの解説だからです。
では、この『あるあるコードチェンジ法』を、楽譜や図などを使って具体的に解説していきます。
前後のコードの共通音と似た形をみつける
次のコード進行[G→Em→Am→D7]を例にして、前後のコードの「共通音」と「似た形」をみつけます。
「共通音」は、GとEmでは5弦の2フレット、AmとD7では2弦の1フレットです。
「似た形」は、EmとAmの2フレットの押さえ方です。
前後のコードの「共通音」と「似た形」がみつかったので、順に解説していきます。
共通音は押さえたまま指を動かさない
『あるあるコードチェンジ法』では、「共通音」は指を動かさないままコードチェンジします。
具体的には、次のようになります。
とても合理的なので、この通りに指を動かせばスムーズにコードチェンジができそうです。
ところが、ギター初心者はうまくいきません。やはり、コードチェンジのときに演奏が止まってしまいます。
なぜならば、コードを押さえる指全体の形が違うので、同じ音だからといって指を動かさずに押さえ続けるのが不自然だからです。
Am→D7の場合は、比較的簡単に人差し指を動かさずにコードチェンジできます。
しかし、G→Emでは、Gの中指を動かさずEmにチェンジすると、薬指がとても窮屈になります。中指をナットの方にずらさないと、Emは押さえられないのです。
つまり、「共通音」を押さえ続けようとすると、次のコードが押さえづらくなるという問題が起こるのです。
似た形はその形のまま指をずらす
『あるあるコードチェンジ法』では、「似た形」は指の形をくずさずに指をずらすだけと解説しています。
とても合理的に思えるので、うまくいきそうです。
ところが、ギター初心者にとっては、やはりうまくできないのです。
なぜならば、Emは指2本で押さえるのに対して、Amは指3本で押さえるので、コード全体の形が違うからです。また、押さえる弦も違います。
いくら同じ指の形だといっても、初心者にとっては全く違うコードなのです。
このように『あるあるコードチェンジ法』は、とても合理的に思えるのですが、実際にやってみるとうまくいきません。
その結果、コードチェンジのときに演奏が止まってしまうのです。
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ここまで、コード進行[G→Em→Am→D7]を例にして、『あるあるコードチェンジ法』のやり方を解説してきました。
では次に、このコード進行[G→Bm→C→D]で、コードチェンジのやり方を考えていきましょう。
『あるあるコードチェンジ法』では、どうなるのでしょうか。
『あるあるコードチェンジ法』では対応できないコード進行
コード進行[G→Bm→C→D]を見てください。
よくあるコード進行なのですが、『あるあるコードチェンジ法』では対応できません。なぜならば、前後のコードの「共通音」も無ければ「似た形」もないからです。
実際には、Gの5弦とBmの5弦は「共通音」です。
しかし、Bmは人差し指でセーハするため、指を動かさずにコードチェンジすることは不可能です。
このように、『あるあるコードチェンジ法』では対応できないコード進行があるのです。
ところが、ギターが弾ける人は、[G→Bm→C→D]のようなコード進行でも、何の苦もなくスムーズにコードチェンジをしています。どのようにコードチェンジをしているのでしょうか。
ということで、次はギターを弾ける人がやっている『現実のコードチェンジ法』を解説します。
『現実のコードチェンジ法』とは
ギターが弾ける人は、コードチェンジのとき、全ての指を弦から離しているのです。
これが『現実のコードチェンジ法』です。
もちろん例外はあります。たとえば、Am→D7のときは、人差し指を離さずにチェンジすることがあります。
しかし、このようなコード進行であっても、わざわざ指を弦から離してコードチェンジすることもあるのです。
『あるあるコードチェンジ法』では対応できないコード進行[G→Bm→C→D]を例にして、『現実のコードチェンジ法』のやり方を解説します。
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G→Bmのコードチェンジでは、Gの最後の裏拍のときにパッと指を離します。
そして、次の小節の頭でBmをズバッと押さえるのです。
同じように、Bm→Cのときも、C→Dのときも、パッと指を離して、ズバッとコードを押さえます。
このようにコードチェンジすると、次のコードに移る直前に、指定されているコードとは違う和音が鳴ってしまいます。
しかし、全く問題ありません。反対にリズミカルでノリのある演奏になるのです。
このコードチェンジ法は、ピアノには真似できません。
ピアノでは、コードチェンジの前の裏拍で、指定されたコード以外の和音をわざわざ弾くことはないからです。
コードチェンジ直前の裏拍で、開放弦の音を短く響かせることにより、リズミカルな演奏にするのは、ギターにしかできない、ギターらしい弾き方なのです。
このように、コードチェンジをスムーズに行うためには、一度弦から指をパッと離し、次の瞬間に一発でコードを押さえなければなりません。
これはギター初心者にはとても難しいことです。
そのため、コードチェンジの度に演奏が止まってしまいます。
しかし、初めのうちはそれでいいのです。
なぜならば、一発でコードを押さえられるようにならなければ、リズムをくずさずに曲を演奏することはできないからです。
コードは、何度も練習することで、必ずズバッと一発で押さえられるようになります。
『あるあるコードチェンジ法』に従う必要はありません。コードチェンジの直前の裏拍で指を弦から離し、次のコードをズバッと押さえる練習をドンドンやりましょう。
そのことが、結局はコードチェンジを上達させる近道になるのです。
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ただし、この『現実のコードチェンジ法』は、ある程度の速さがある曲で、使われているコードがローコード、そして弾き方はストロークに限ったものです。
ローコードとは、簡単に説明すると「開放弦を含むオープンコード」「4フレットまでに収まるコード」のことです。5フレット以上を押さえるコードは一般に「ハイコード」といいます。
アルペジオやハイコードにおけるコードチェンジ法については、別の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ:ギター初心者必見!ローコードにおけるコードチェンジのコツ
ここまで、初心者が苦労するコードチェンジについて、ネットで調べてよく出てくる『あるあるコードチェンジ法』と、ギターを弾ける人が実際にやっている『現実のコードチェンジ法』を解説してきました。
最後に演奏例を動画で見てください。
動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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・アルペジオにおけるローコードでのコードチェンジのコツ[動画あり]
・ハイコードでも音が途切れないコードチェンジのコツ[動画あり]
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