ギターを始めたばかりの方にとって、「コード」はまるで謎の暗号のように見えてしまうかもしれません。
「C」や「G」のようなシンプルなコードは理解できても、「B♭m7-5」や「D#dim7」のような複雑なコードは、どう読んだらいいのかわからないですよね。
しかし、ご心配なく!
この記事では、ギター初心者の方でも簡単に理解できるよう、コードの読み方をわかりやすく解説します。
アルファベットや数字の意味と役割をマスターすることで、コードダイアグラムを見なくても、コードの押さえ方がわかるようになります。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
コードとは
「コード(chord)」を辞書で引くと、「和音(わおん)」と書かれています。
「和音」は、複数の音が同時に鳴ることで生まれる音響のことですが、厳密には鳴る音の数によって次のように分類されます。
- 重音:高さの異なる2つの音
- 和音:高さの異なる3つ以上の音
一般的に「コード」といえば、「和音」のことです。
コードで鳴っている音をコード構成音といいますが、コードとは「コード構成音が3つ以上ある」ということができます。
しかし、コード構成音が2つのコードもあります。パワーコードです。
「Cのパワーコード」「Gのパワーコード」などといいます。
パワーコードについては、ギターでパワーコード!重厚サウンドを生む弾き方のコツ[動画あり]で詳しく解説しているので参考にしてください。
コードの3つの部分の役割と読み方
コードは何百種類もありますが、構造を理解すれば読み方がわかります。
コードの読み方をコードネームといいます。
たとえば、次のコード「CmM7」を見てください。
C m M7
このコードは「シー マイナー メジャー・セブンス」と読みます。
このコードは、次の3つの部分に分けることができ、それぞれに役割があります。
- ルート音(根音・主音)
- メジャー・マイナー
- 付加和音
左側にある英語の大文字「C」は、そのコードの基になるルート音を表しています。ルート音は「根音」や「主音」、「ベース音」ともいわれます。
中央の小文字「m」は、マイナーコードであることを表しています。メジャーコードは大文字「M」ですが、たいていは省略されて何も記載されません。
左側と中央の部分で、最も単純な「3音のコード」を表します。
右側の「M7」は、「3音のコード」に付加する音を表しています。この部分があると、4音や5音のコードになります。
3つの部分について、それぞれ詳しく解説します。
ルート音
コードネームの左側は、ルート音を表しています。
ルート音は、和音の基準となる音で、音階を英語で表した文字を使います。
学校の音楽の授業では、音階は「ドレミファソラシ」と習いましたね。実は、これはイタリア語です。
コードは、英語「CDEFGAB」で表します。「C」が「ド」です。
たとえば、Cメジャーコードは「ド・ミ・ソ」、つまり「C・E・G」の3音でできています。
この3音の始まりの音「C」が、コードのルート音というわけです。
ルート音は全部で12種類あります。
C・C#・D・D#・E・F・F#・G・G#・A・A#・B
「♯」は「シャープ」、「♭」は「フラット」と読みます。
C♯(シー・シャープ)はCを半音上げた音です。D♭(ディー・フラット)はDを半音下げた音です。
この2つの音は、異名同音(いめいどうおん)といって、呼び方は違いますが同じ音になります。
このように、コードネームの左側の「英大文字」および「♯」や「♭」は、12個のルート音のどれかを表します。
メジャー・マイナー
コードは大きく2種類に分けることができます。
明るい響きのメジャー(major)コードと暗い響きのマイナー(minor)コードです。
コードネームの中央部分で、そのコードがメジャーコードなのかマイナーコードなのかを表します。
メジャーコードは省略して「maj」または「M」、マイナーコードは「min」または「m」と書きます。
一般的には、メジャーとマイナーの違いがハッキリわかるように、メジャーコードの「M」は書きません。
たとえば、Cメジャーコードは通常「C」と書きます。
「CM」「Cmaj」もCメジャーコードですが、あまり目にすることはないでしょう。
Cマイナーコードは通常「Cm」と書きます。「m」を省略することはありません。
「Cmin」「C-」もCマイナーコードですが、あまり一般的ではありません。
コードネーム | 一般的な表記 | 別表記 |
C メジャー | C | Cmaj、CM |
C マイナー | Cm | Cmin、C- |
このように、コードネームの中央部分は、メジャーコードかマイナーコードを表す役割があります。
付加和音
コードネームの右側は、「3音のコード」に付加する音を表しています。
つまり、ここに何かが書いてあると「4音以上のコード」になります。
例外が2つあります。「sus4」と「aug」です。これらは、コード構成音が3つのコードです。
ここでは、付加和音の部分がある主なコードについて、「C」を例にコードネームと表記の方法をまとめました。
コードネーム | 一般的な表記 | 別表記 |
C サスフォー | Csus4 | C4、Csus |
C セブンス・サスフォー | C7sus4 | C7sus |
C オーギュメント | Caug | C+、C+5 |
C オーギュメント・セブンス | Caug7 | C+7、C7+5 |
C シックス | C6 | CM6、Cmaj6 |
C セブンス | C7 | |
C メジャー・セブンス | CM7 | Cmaj7、C△7 |
C マイナー・シックス | Cm6 | C-6、Cmin6 |
C マイナー・セブンス | Cm7 | C-7、Cmin7 |
C マイナー・メジャー・セブンス | CmM7 | Cm△7、C-△7 |
C ディミニッシュ | Cdim | C○ |
C アド・ナインス | Cadd9 | |
C マイナー・セブンス・フラット・ファイブ | Cm7(♭5) | Cm7♭5、Cm7-5 |
付加和音には、数字や英文字が使われています。
数字は、度数といって、ルート音から数えて何番目の音なのかを表しています。
英文字は、英単語の省略形です。(「add」を除く)
そこで次は、この度数や英文字について解説します。
・度数
付加和音に書かれている数字は、付け加える音を表しています。これを度数といいます。
ルート音を1度として、順に2度、3度〜と数えていきます。
階名(伊語) | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
階名(英語) | C | D | E | F | G | A | B |
度数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8度は、1度のルート音より1オクターブ上の音です。
たとえば、「C6」は、「C」の3和音「C・E・G」に6度の音「A」を加えたコードです。
つまり、「C6」のコード構成音は、「C・E・G・A」です。
ギターのコードフォームで説明すると、次のようになります。
左側は1・3・5度の「C」ですが、それに6度の音を付け加えると、右側の「C6」になります。
この「C6」は、5度の音「G」を省略したコードフォームです。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
次に、セブンスコードを解説します。
セブンスコードは、注意が必要です。
「C7」は、「C」に7度の音「B」を加えたコードではありません。
7度より半音低い音「B♭」を加えたコードが「C7」になります。
では、「C」に7度の音「B」を付け加えたコードは何でしょうか。
それは、「CM7」になります。
「C〜B♭」の「B♭」を「短7度」、「C〜B」の「B」を「長7度」といいます。
すなわち、「C7」は短7度の音、「CM7」は長7度の音を付け加えたコードです。
同じセブンスコードでも、「M」があるかないかで、付加する音が半音違っているのです。
・sus4
「sus4」(サスフォー)の「sus」は、suspendedの省略形です。suspendedは、「浮遊している」という意味があります
「Csus4」は別表記で「C4」と書くように、「C」に4度の音「F」を加えたコードです。しかし、3度の音は抜いて「C・F・G」の3和音になります。
3度の音は、メジャーかマイナーを決定づける音です。そのため、sus4は明るくも暗くもなく、その名の通りフワフワした響きがあります。
・aug
「aug」(オーギュメント)は、augmentの省略形です。augmentは、「増加させる」という意味があり、5度の音を半音上げることを示しています。
「Caug」は、「C」の5度の音「G」を半音上げて、「C・E・G♯」の3和音にしたコードです。
どことなく不思議な雰囲気を漂わせる響きがあります。
・dim
「dim」(ディミニッシュ)は、diminishの省略形です。diminishは、「減少させる」という意味があり、半音下げることを示しています。
「Cdim」は、「C」の3和音「C・E・G」のうち、ルート以外を半音下げて6度の音を加えます。つまり、「C・E♭・G♭・A」の4和音のコードです。
それぞれの音の間隔が、ギターの3フレット分になります。
緊張感が高まる響きがあります。
・add9
「add9」(アド・ナインス)の「add」は、「付け加える」という意味があります。
9度の音は8度の音より1度高い音なので、2度の音と同じです。なぜならば、1度と8度は1オクターブ違いの同じ音だからです。そのため、「add9」は「add2」と書くこともあります。
つまり、「Cadd9」は、「C」の3和音「C・E・G」に9度の音「D」を加えたコードになります。
キレイで清々しい響きのコードです。
オンコード(分数コード)の読み方
通常のコードの他に、オンコードと呼ばれるコードがあります。
オンコードとは、ルート音以外の音をベース音に指定しているコードです。
コード進行をなめらかにするためや、変化を加えるために使われます。
オンコードは、次のように書かれています。
Am7 on G
または
Am7 (on G)
オンコードは、分数の形で書くこともあるので、分数コードともいわれます。
Am7 / G
読み方は、どれも「エー・マイナー・セブンス・オン・ジー」です。
コードダイアグラムでは、このようになります。
通常「A」のベース音は5弦の解放ですが、「Am7/G」では6弦3フレットの「G」がベース音になります。
まとめ:ギターコードの読み方!3つの部分の役割やオンコード
ここまで、ギターコードの読み方を解説してきました。
- ギターコードは、3つの部分の役割を理解すれば読み方がわかる。
- 分数の形をしているオンコードは、ベース音が分母に書かれている。
ここで解説したギターコード以外にも、テンションコードというものがあります。テンションコードには、度数を表す数字(9,11,13)が付け加えられています。
すでに度数の基本的な意味を理解しているので、読むことができると思います。ぜひチャレンジしてみてください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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