ギター初心者がコードを効率的に覚えるための方法とコツ

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ギターのコード表を見ると、膨大な量のコードがありますね。

その全てを覚えなければ、曲を弾くことはできないのでしょうか・・?

いいえ、そんなことはありません。

コードの基本的な構造がわかれば、ごく一部のコードを覚えるだけで、多くのコードの押さえ方がわかるからです。

ギターコードの覚え方 アイキャッチ画像

そこでこの記事では、ギター初心者がコードを効率的に覚えるための方法とコツを解説します。

どうぞ最後までお読みください。

階名と度数

コードが何の音で作られているのかを表すのが、コード構成音です。

コード構成音は、ある決まりに従って英語数字で表記されています。

たとえば、次のコードを見てください。

C m M7

このコードは「シー マイナー メジャー・セブンス」というコードネームですが、次の3つの部分に分けることができ、それぞれに役割があります。

  • ルート音(根音・主音)
  • メジャー・マイナー
  • 付加和音

左側にある英語の大文字「C」は、そのコードの基になるルート音を表しています。ルート音は「根音」や「主音」、「ベース音」ともいわれます。

中央の「m」は、マイナーコードであることを表しています。メジャーコードは「M」ですが、たいていは省略されて何も記載されません。

左側と中央の部分で、最も単純な「3音のコード」を表します。

右側の「M7」は、「3音のコード」に付加する音を表しています。この部分があると、4音や5音のコードになります。

付加する音は、主に数字で表されています。この数字を度数といいます。

度数は、「ドレミファソラシ」を「1234567」という数字に当てはめたものだと考えるとわかりやすいでしょう。

「ドレミ」の階名を、英語と度数で表すと、次の表のようになります。

階名(伊語) ファ
階名(英語)
度数

音楽の授業で教えられた「ドレミファソラシ」はイタリア語(伊語)です。ギターコードで使われる「CDEFGAB」は英語です。どちらも階名を表しています。

階名と度数を五線譜で表すと、このようになります。

ギターコードの覚え方 五線譜

ピアノの鍵盤でも表してみます。

ギターコードの覚え方 鍵盤

「C」より1オクターブ高い「C」は「8度」です。

つまり、度数は、1と8、2と9、3と10・・・が、同じ階名になります。

コードの付加和音の部分で使われている数字は、この度数です。

♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪

コードには、2種類のタイプがあります。

明るい響きのメジャーコードと暗い響きのマイナーコードです。

次は、それぞれのコード構成音を、度数を使って解説します。

メジャーコードの構成音

まずは、メジャーコードの構成音を見ていきましょう。

下の表の「□」は、ルート音を表す英語の大文字が入ります。

<メジャーコードの構成音>

ギターコードの覚え方 メジャーコード構成音

<注>通常、7度より半音低い音は「♭7」と書きますが、ここでは「シ♭」「B♭」と同じように「7♭」と書き表しています。

メジャーコードは、1・3・5度が共通しています。

「□6」(シックス)は、6度の音が付け加えられています。

「□7」(セブンス)は、7度の半音下の音が付け加えられています。7度の音ではありません。この音を短7度といいます。

「□M7」(メジャーセブンス)は、7度の音が付け加えられています。この音を長7度といいます。

add9(アドナインス)は、9度の音が付け加えられています。9度は、2度と同じ音です。そのため、add9はadd2と表記されることもあります。

このように、付加和音に違いがあるものの、メジャーコードには必ず1・3・5度の音が含まれています。

マイナーコードの構成音

次に、マイナーコードの構成音を見ていきましょう。

<マイナーコードの構成音>

ギターコードの覚え方 マイナーコード構成音

マイナーコードは、1・3♭・5度が共通しています。

メジャーコードとの違いは、3度の音だけです。

メジャーコードのひとつの音を半音下げるだけで、明るい響きが暗い響きに変わります。不思議ですね。

その他のマイナーコード(m6、m7、mM7)は、メジャーコードと同じ度数の音が付け加えられています。

このように、付加和音に違いがあるものの、マイナーコードには必ず1・3♭・5度の音が含まれています。

♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪

ここまでは一般論だったので、次は具体的なCコードを例にして、ギターコードの押さえ方を解説します。

Cコードの押さえ方を理解すれば、コードの構造がわかります。

コードの構造がわかれば、コードネームを見ただけでコードフォームがわかります。

つまり、コードを丸暗記しなくても、初めて目にしたコードでも、即座に押さえ方がわかるようになるのです。

Cコードの押さえ方

Cコードには、メジャーコードとマイナーコードがあります。

Cメジャーコードには、オープンコードとハイコードがあります。

Cマイナーコードは、一般的なオープンコードが無い(一部あり)ので、ハイコードだけです。

オープンコードは、開放音(弦を押さえない)を使ったコードです。ローコードともいいます。

ハイコードは、開放音を使わないコードのことです。ルート音が5弦にあるものと6弦にあるもので分けられます。

そこで、次の5つのタイプのコードについて解説します。

  • Cメジャーコード[オープンコード]
  • Cメジャーコード[5弦ルート]
  • Cメジャーコード[6弦ルート]
  • Cマイナーコード[5弦ルート]
  • Cマイナーコード[6弦ルート]

Cメジャーコード[オープンコード]の押さえ方

Cメジャーコードのルート音「ド」は、5弦3フレットにあります。

ここを起点として、1・3・5・1(8)・3(10)度を並べるとCメジャーコードになります。

1度と8度は1オクターブ違いの「ド」、3度と10度は1オクターブ違いの「ミ」です。

下の指板図を見ると、「C6→C7→CM7→Cadd9」は、1・3・5度の「C」に1音だけ付加されていることがわかります。

ギターコードの覚え方 C オープンコード

「C6→C7→CM7」は、付加される音が「ラ→シ♭→シ」と半音ずつ上がっていることが理解できると思います。

Cメジャーコード[5弦ルート]の押さえ方

Cメジャーコードのルート音「ド」は、5弦3フレットにあります。

ここを起点として、開放音を使わずに1・5・1(8)・3(10)・5(12)度を並べるとCメジャーコードになります。

下の指板図を見ると、「C6→C7→CM7→Cadd9」は、1・3・5度の「C」に1音だけ付加されていることがわかります。

ギターコードの覚え方 C 5弦ルート

オープンコードのときと同様に、「C6→C7→CM7」は、付加される音が「ラ→シ♭→シ」と半音ずつ上がっていることが理解できると思います。

「C6」は上のコードフォームでは押さえられないので、実際には下のコードフォームで押さえます。

ギターコードの覚え方 C6 5弦ルート

Cメジャーコード[6弦ルート]の押さえ方

Cメジャーコードのルート音「ド」は、6弦8フレットにあります。

ここを起点として、開放音を使わずに1・5・1(8)・3(10)・5(12)・1(16)度を並べるとCメジャーコードになります。

下の指板図を見ると、「C6→C7→CM7→Cadd9」は、1・3・5度の「C」に1音だけ付加されていることがわかります。

ギターコードの覚え方 C 6弦ルート

これまでと同様に、「C6→C7→CM7」は、付加される音が「ラ→シ♭→シ」と半音ずつ上がっていることが理解できると思います。

「C6」は上のコードフォームでは押さえられないので、実際には下のコードフォームで押さえます。

ギターコードの覚え方 C6 6弦ルート

「CM7」は、下のコードフォームでも押さえられます。最も高い7度の音が強調されるので、美しい響きになります。

ただし、ルート音は4弦になります。親指で6弦8フレットを押さえれば、ルート音を6弦にすることもできます。

ギターコードの覚え方 CM7 6弦ルート

「Cadd9」は、上のコードフォームは難しいので、このコードフォームにすると押さえやすくなります。

ギターコードの覚え方 Cadd9 6弦ルート

Cマイナーコード[5弦ルート]の押さえ方

Cmコードのルート音「ド」は、5弦3フレットにあります。

ここを起点として、開放音を使わずに1・5・1(8)・3♭(10♭)・5(12)度を並べるとCmコードになります。

下の指板図を見ると、「Cm6→Cm7→CmM7」は、1・3♭・5度の「Cm」に1音だけ付加されていることがわかります。

ギターコードの覚え方 Cm 5弦ルート

マイナーコードでもメジャーコードと同様に、「Cm6→Cm7→CmM7」は、付加される音が「ラ→シ♭→シ」と半音ずつ上がっていることが理解できると思います。

「Cm6」は上のコードフォームでは押さえられないので、実際には下のコードフォームで押さえます。

ギターコードの覚え方 Cm6 5弦ルート

Cマイナーコード[6弦ルート]の押さえ方

Cmコードのルート音「ド」は、6弦8フレットにあります。

ここを起点として、開放音を使わずに1・5・1(8)・3♭(10♭)・5(12)度を並べるとCmコードになります。

下の指板図を見ると、「Cm6→Cm7→CmM7→Cadd9」は、1・3♭・5度の「Cm」に1音だけ付加されていることがわかります。

ギターコードの覚え方 Cm 6弦ルート

ここでも同様に、「Cm6→Cm7→CmM7」は、付加される音が「ラ→シ♭→シ」と半音ずつ上がっていることが理解できると思います。

「Cm6」は上のコードフォームでは押さえられないので、実際には下のコードフォームで押さえます。

ギターコードの覚え方 Cm6 6弦ルート

他コードへの展開

ここまで、Cコードの押さえ方について解説してきました。

付加する音が「6」「7」「M7」「add9」について、理解できたことと思います。

では、Cコード以外のコードはどのように押さえたらいいのでしょうか。

ハイコードとオープンコードに分けて解説します。

ハイコード

ハイコードの場合は、コードフォームは変えずにフレットを移動させるだけで、他のコードに変わります。

たとえば、5弦ルートの「C7」を、同じコードフォームのまま2フレット上げれば、「D7」になります。

ギターコードの覚え方 C7 D7

また、6弦ルートの「CmM7」を、同じコードフォームのまま5フレット下げれば、「GmM7」になります。

ギターコードの覚え方 CmM7 GmM7

この構造を理解するためには、ルート音が何弦の何フレットにあるのかを知らなければなりません。

<5弦のルート音>

ギターコードの覚え方 5弦ルート指板図

<6弦のルート音>

ギターコードの覚え方 6弦ルート指板図

音名が書かれていない所、たとえば「A」と「B」の間は「A♯」または「B♭」です。

「A♯」と「B♭」は同じ音です。これを『異名同音』といいます。

これで、ハイコードなら12個ある全てのルート音のコードが押さえられますね。

オープンコード

オープンコードの場合もコード構成音は変わりません。

たとえば、「C」は1・3・5度の3和音ですが、「G」も「D」も同様に1・3・5度の3和音です。

違っているのは、各コードの始まりの音であるルート音の位置です。

ギターコードの覚え方 開放ルート指板図

各コードの押さえ方を考えるためには、ルート音を起点にした「ドレミファソラシ」、つまり「1・2・3・4・5・6・7度」の度数を確認しなければなりません。

たとえば、「C」「G」「D」における1〜7度の度数は、次のようになります。

ギターコードの覚え方 C G D

ここまでわかれば、Cコードのときと同じように、コードを作っていくことができます。

・Gコードの例

Gコードについて、コード作りをやってみましょう。

ギターコードの覚え方 G コード作り

「G6」は、1弦3フレットの指を離し、1弦開放の6度の音を付け加えれば出来上がりです。

さらに、1弦1フレットを押さえれば「G7」に、1弦2フレットを押さえれば「GM7」になります。

「Gadd9」は、3弦2フレットを押さえればOKです。

とてもシンプルですね。

・Dコードの例

次に、Dコードについても、コード作りをやりましょう。

ギターコードの覚え方 D コード作り

「D6」は、2弦の3フレットの指を離して、2弦開放の6度の音を付け加えるだけです。

また、2弦1フレットを押さえれば「D7」に、2弦2フレットを押さえれば「DM7」になります。

「Dadd9」は1弦2フレットの指を離して、1弦開放の2(9)度の音を付け加えます。

「Dadd9」は3度の音が出せませんが、これは仕方がないと諦めます。

このように、現実的に押さえられないときは、コード構成音を省くことがあります。

DコードでもGコードと同様に、シンプルにコードを作ることができますね。

メジャーコード・マイナーコード以外のコード

コードには、メジャーコード構成音[1・3・5度]、マイナーコード構成音[1・3♭・5度]を持たないものがいくつかあります。

それらのコードの構成音を表にまとめました。

ギターコードの覚え方 その他のコード

<注>通常、5度より半音高い音は「♯5」と書きますが、ここでは「ソ♯」「G♯」と同じように「5♯」と書き表しています。

「□dim」は「ディミニッシュ」と読みます。

「□m7-5」は「□m7(♭5)」と書くことがあります。

「□sus4」は「サスフォー」、「□aug」は「オーギュメント」と読みます。

これらのコードのコードフォームを考えると、ギターについての理解が深まるので、ぜひチャレンジしてみてください。

まとめ:ギター初心者がコードを効率的に覚えるための方法とコツ

ここまで、ギター初心者がコードを効率的に覚えるための方法とコツについて解説してきました。

階名と度数
メジャーコードの構成音
マイナーコードの構成音

Cコードの押さえ方
 Cメジャーコード[オープンコード]の押さえ方
 Cメジャーコード[5弦ルート]の押さえ方
 Cメジャーコード[6弦ルート]の押さえ方
 Cマイナーコード[5弦ルート]の押さえ方
 Cマイナーコード[6弦ルート]の押さえ方
他コードへの展開
 ハイコード
 オープンコード
メジャーコード・マイナーコード以外のコード

ここで解説したことを理解すれば、通常使われるほとんどのコードは、コードネームを見ただけで作ることができます。

つまり、何百もあるコードを丸覚えする必要はないということです。

コードを効率的に覚えるコツ、それはコード構成音を理解することなのですね。

この記事があなたの一助になれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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