ギターを始めたばかりの初心者が、効率よく上達するために毎日行うべき基礎練習についてお伝えします。
ぜひこの記事を参考にして、日々の基礎練習を実践してみてください。
基礎練習を毎日コツコツ続ければ、驚くほどギターの上達を実感できるでしょう。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
音楽の3大要素
ギター初心者が効率よく上達するために、毎日やるとよい基礎練習とはどのようなものでしょうか。
その答えはとてもシンプルです。
音楽の3大要素は、リズム、メロディー、ハーモニーといわれますが、この3つのことを上達させる基礎練習をすればいいのです。
では、具体的な練習メニューを紹介する前に、リズム、メロディー、ハーモニーとはどのようなものなのか簡潔に説明します。
リズム
リズムとは、音楽の中で時間の流れや繰り返しのパターンを感じることができる要素です。
音楽を聴いたり演奏したりするとき、音の強さや速さが繰り返し現れることで感じられます。
「タタタ タタタ」とか「ドンドン カタカタ」といったパターンがリズムの一例です。
メロディーやハーモニーがない音楽はありますが、リズムがない音楽はありません。
メロディー
メロディーとは、音楽の中で聴こえる主な音の並びや旋律のことです。
歌や楽器の演奏などで出てくる音の順番や高さのパターンがメロディーとなります。
メロディーは楽曲を聴いたり歌ったりするときに耳に残り、その曲を特徴づける部分です。
ハーモニー
ハーモニーとは、音楽の中で複数の音が一緒に響き合って調和を作り出すことです。
楽器の音や声が同時に発せられるときに現れる要素であり、和音の関係性によって形成されます。
ハーモニーは楽曲に深みや豊かさをもたらし、感情や雰囲気を表現する重要な要素となります。
ギター初心者のための基礎練習
音楽の3大要素、メロディー、リズム、ハーモニーの概要が分かったところで、ギター初心者がこの3つのことを鍛える基礎練習メニューを紹介します。
基礎練習は次の順に取り組むのがスムーズです。
(0)音感を鍛えるチューニング
(1)ハーモニーを鍛える基礎練習メニュー
(2)リズムを鍛える基礎練習メニュー
(3)メロディーを鍛える基礎練習メニュー
(3)メロディーを鍛える基礎練習メニューのレベル2とレベル3は難易度が高いので、ある程度弾けるようになってから挑戦してください。
そこで、この順番に基礎練習メニューを解説します。
音感を鍛えるチューニング
ギターを練習する前には、毎回チューニングをします。
なぜならば、正しくチューニングされたギターを弾かなければ、音感は磨かれないからです。
チューニングは音感を鍛えるために非常に有効です。
チューニングをするには、クリップ型チューナーが便利です。
しかし、ギター初心者が音感を鍛えるためには、このようなチューナーは弊害になります。
なぜならば、チューナーを使うと、ピッチ(音の高さ)の高低を目で確認するだけでチューニングができるので、2音のピッチ差を耳と体で聞く必要がないからです。
2つの音のピッチがわずかにずれていると、ウワーンという「うなり」が起こります。この「うなり」は耳だけでなく体でも感じることができます。
この「うなり」がなくなれば、2つの音のピッチが同じになったということです。
音感を鍛えるチューニングのやり方を、6弦を例にして解説します。
(1) 6弦の基準となる音「ミ」を聞きます。
(2) 自分のギターの6弦の音を出し、基準となる音「ミ」よりも少し下げます。
(3) 自分のギターの6弦のピッチを上げながら「うなり」がなくなるように正しいピッチに合わせていきます。
全ての弦を一通り合わせた後、さらにこれを2〜3回繰り返して、完璧にチューニングします。
ギターの音を上げながら合わせていくのは、チューニングを安定させるためです。
下げながら合わせていくと、後でチューニングが狂いやすくなります。
ギターの練習を始めるときには、まずこのチューニングを行い、音感を鍛えるようにしましょう。
ギターの各弦は、次の音に合わせます。
・6弦→E(ミ)
・5弦→A(ラ)
・4弦→D(レ)
・3弦→G(ソ)
・2弦→B(シ)
・1弦→E(ミ)
各弦の基準音を下↓に掲載するので、この音を聞きながら自分のギターの音を合わせていきましょう。
音源を再生するとスピーカーから音が出るので注意してください。
6弦→E(ミ)の音源
5弦→A(ラ)の音源
4弦→D(レ)の音源
3弦→G(ソ)の音源
2弦→B(シ)の音源
1弦→E(ミ)の音源
チューニングが合っていないギターを使って、この後の基礎練習を行ってはいけません。
なぜならば、ピッチがずれていても気にならないという音感が身についてしまうからです。
そうならないようにするために、ギターの練習を始めるときには、上の基準音を聞きながら確実にチューニングを行いましょう。
ハーモニーを鍛える基礎練習メニュー
ハーモニーは、複数の音の響き合い、つまり和音。和音はコードのことです。
つまり、ギター初心者が毎日やるとよい基礎練習は、コード練習です。これは主に左手(右利きの場合)の練習になります。
そこで、超定番のコード進行を練習しましょう。それはカノン進行です。
このカノン進行は、例を挙げればキリがないほど多くのヒット曲で使われています。
カノン進行を、3つのキーで弾く練習をしましょう。
レベル1をキーC、レベル2をキーG、レベル3をキーDとしています。
・レベル1では、バレーコードのFが出てきます。
・レベル2では、バレーコードのBmが出てきます。
・レベル3では、バレーコードのBmとF#mが出てきます。
バレーコードのFやBmがまだ苦手な人は、簡単に押さえられる代用コードを積極的に使ってください。
FとBmの代用コードは、この↓記事で解説しています。
○ギター初心者でもFコードで挫折しない!克服法と押さえ方のコツ
それぞれのコードの音がキレイに出ることが目的なので、次のように練習しましょう。
◆楽譜の通りにコードを押さえ、ダウンストロークで1回ジャラーンと鳴らします。
◆ミュートしている弦以外の音が全てキレイに出れば成功です。
◆テンポ50とテンポ75の音源を用意していますので、それに合わせて練習しましょう。
レベル1
まずは、キーCです。バレーコードFが出てきます。
デモ演奏の音源を聞いて、全体のイメージを持ってから練習を始めてください。
楽譜 キー:C
リズム音源 キー:C テンポ:50
リズム音源 キー:C テンポ:75
デモ演奏の音源↓をつけておきますので、参考にしてください。
レベル2
次に、キーGです。バレーコードBmが出てきます。
楽譜 キー:G
リズム音源 キー:G テンポ:50
リズム音源 キー:G テンポ:75
レベル3
最後は、キーDです。バレーコードBmとF#mが出てきます。
楽譜 キー:D
リズム音源 キー:D テンポ:50
リズム音源 キー:D テンポ:75
リズムを鍛える基礎練習メニュー
コードがキレイに鳴ったとしても、リズムが悪ければ良い音楽にはなりません。
リズムのない音楽が存在しないように、リズムは音楽の要素の中で無くてはならないものです。
ですから、リズム練習は、ギター初心者にとって大切な基礎練習です。これは主に右手(右利きの場合)の練習になります。
ギターは右手で音を出します。右手の動きがリズムを決定するので、この練習はとても大切です。
ギターの弾き方は、主にストロークとアルペジオがありますが、リズムを鍛える目的なのでストロークの練習をします。
ストロークには、色々なパターンがありますが、多くの曲で使われている次の超定番パターンを練習しましょう。
このストローク・パターンは、ダウン・ストロークとアップ・ストロークを同じテンポで繰り返すオルタネイト・ストロークで、1拍目の裏と3拍目の表では空ピッキングをします。
空ピッキングとは、腕は一定のテンポで上下に動かしながら、弦を弾かないピッキングのことです。
通常の楽譜では上記のようになりますが、楽譜を読むのが苦手な人には、弾き方がよくわかりません。
そこで、次のような楽譜を考案しました。
この楽譜では、オルタネイト・ストロークをしながら、どこで空ピッキングをしたらいいのかがよくわかります。
言葉で表すと「ジャ・ん・ジャ・カ・ん・カ・ジャ・カ」となります。
赤色「ジャ」がダウン・ストローク、青色「カ」がアップ・ストローク、「ん」が空ピッキングです。
何度か声に出して読んでみてください。どのようなリズムで弾けばいいのかがよくわかります。
このストローク・パターンで、カノン進行をリズミカルに弾きましょう。
各コードの長さは、コード練習のときの2倍(1小節分)に伸ばしているので、ストローク・パターンを1回ずつ弾くことができます。
レベル1
楽譜の下にデモ演奏の音源をつけています。
これを聞いて、全体のイメージを持ってから練習を始めてください。
楽譜 キー:C
リズム音源 テンポ90
デモ演奏 音源
このストローク・パターンを練習すると、コードチェンジのときにリズムが遅れてしまうことがあるでしょう。
実は、コードチェンジを始めるタイミングは、次のコードに移る前なのです。
具体的には、4拍目の裏で指を弦から離して開放音を鳴らし、次の小節の頭でコードを押さえてジャラーンと鳴らすのです。
つまり、小節最後の「カ」の音は、コードの音ではなく、開放弦の音なのです。
デモ演奏の音源をよく聞くと、開放弦の音が鳴っていることに気づくと思いますが、違和感は感じないでしょう。
ギターのコードチェンジは、このように行っているのです。
楽譜では分からない現実的なコードチェンジの方法は、この↓記事で解説しています。
○初心者必見!ローコードにおけるコードチェンジのコツ[動画あり]
レベル2
楽譜 キー:G
リズム音源 テンポ90
レベル3
楽譜 キー:D
リズム音源 テンポ90
メロディーを鍛える基礎練習メニュー
メロディーは、楽曲の特徴や感情を表現するための大切な要素です。
そのため、ギター初心者にとってメロディー練習も重要です。
メロディーは単音弾きになるので、両手の練習になります。
ここでもカノン進行を使って、メロディー弾きの練習をします。
レベルは3段階ありますが、キーは全てCです。
・レベル1では、4分音符の速さまで出てきます。
・レベル2では、8分音符の速さまで出てきます。
・レベル3では、16分音符の速さまで出てきます。
レベル1
レベル1では、前半は2分音符、後半は4分音符メインです。
そのため、上から下に弦をはじくダウン・ピッキングで弾きます。
例外として、最後から2番目「シ」の音だけアップ・ピッキングです。
左手の指使いは次のようになります。
・1フレット:人差し指
・2フレット:中指
・3フレット:薬指
デモ音源を聞いて、全体のイメージを持ってから練習をしましょう。
楽譜 レベル1
リズム音源 テンポ60
デモ演奏 テンポ60
レベル2
レベル2では、前半は8分音符、後半は4分音符メインです。
8分音符の連続のところは、オルタネイト・ピッキングで弾きます。
オルタネイト・ピッキングとは、ダウンとアップのピッキングを交互に繰り返すピッキングのことです。
オルタネイト・ピッキングは、正確なリズムを刻むために重要なテクニックなので、必ず身につけましょう。
1小節目に難関があります。3音目と4音目の弦飛びフレーズです。
ここでは、2弦の1フレットをダウン・ピッキングした後、5弦3フレットをアップ・ピッキングで弾きます。
このようなピッキングをインサイド・ピッキングといいます。
同じような弦飛びフレーズが2小節目の始めにありますが、ここでは5弦3フレットをダウン・ピッキングした後、2弦1フレットをアップ・ピッキングで弾くので、それほど難しくないでしょう。
このようなピッキングをアウトサイド・ピッキングといいます。
オルタネイト・ピッキングについては、この↓記事で詳しく解説しています。
○ギターのオルタネイトピッキング!やり方とコツ、練習方法[動画あり]
ピックを使わないフィンガー・ピッキング(指弾き)の方が簡単に弾けると思います。
左手の基本的な指使いは次のようになります。
・1フレット:人差し指
・2フレット:中指
・3フレット:薬指
しかし、2小節目に「0-3-5フレット」を弾くフレーズがあります。
ここでは、左手全体をボディ側にずらして、3フレットを中指、5フレットを小指で押さえると弾きやすくなります。
7フレットや8フレットを押さえるところでは、どの指を使うか色々試してみましょう。
2分音符なので、スライドをいれても面白いと思います。
デモ音源を聞いて、全体のイメージを持ってから練習をしましょう。
楽譜 レベル2
リズム音源 テンポ60
デモ演奏 テンポ60
レベル3
レベル3では、前半は16分音符、後半は8分音符メインです。
16分音符の連続のところは、オルタネイト・ピッキングで弾きます。
弦飛びフレーズがいくつか出てきますが、8分音符なのでダウン・ピッキングで弾きます。
ピックを使わないフィンガー・ピッキング(指弾き)の場合、同じ弦を連続で弾くところはテンポが速くなると少し難しくなります。テンポが重くならないように気をつけましょう。
8分音符メインの後半については、ダウン・ピッキングとアップ・ピッキングの記号を付けていません。
自分なりに弾きやすい方法を考えてみてください。
デモ音源を聞いて、全体のイメージを持ってから練習をしましょう。
楽譜 レベル3
リズム音源 テンポ40
リズム音源 テンポ60
デモ演奏 テンポ40
デモ演奏 テンポ60
まとめ:ギター初心者の基礎練習メニュー!カノン進行で上達実感
ここまで、ギターを始めたばかりの初心者が、効率よく上達するために毎日行うべき基礎練習について解説してきました。
『メロディーを鍛える基礎練習メニュー』のレベル2とレベル3は難易度が高いので、ある程度弾けるようになってから取り組むといいでしょう。
ぜひこの記事を参考にして、日々の基礎練習を実践してみてください。1ヶ月も続ければ、必ず上達を実感できると思います。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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