先日、『夏土産』(作詞/作曲 中島みゆき)のソロギター動画をユーチューブに初公開しました。
しかし、「楽曲の著作権を侵害しているのかも?」という疑問がわいてきて、不安になってきました。
ユーチューブ上には、レコードやCDなどで販売されている楽曲を歌ったり演奏したりしている動画がありますが、全て著作権者から許可を得ているのでしょうか。
無許可だとしたら、著作権侵害として訴えられる可能性があるのではないでしょうか。
訴えられるのは嫌なので、調べてみることにしました。
この記事では、ソロギター動画をユーチューブに公開した場合に、著作権侵害になるのかを調べた結果を解説しています。
ぜひ参考にしてください。
もくじ
ユーチューブ公開の弾き語りやギター演奏は著作権侵害か?
![](https://canrunlife.com/wp-content/uploads/2022/01/copyright_chosakuken_text.jpg)
まず、楽曲の著作権を持っている人は誰なのか、あるいは人ではなくどこかの団体なのかを調べてみました。
・楽曲における著作権法上の著作権者
楽曲の著作権者(著作権を持っている人)は、「著作権法」という法律で定められています。
一般社団法人日本レコード協会によると、「音楽に関わる人々と著作権」について次のように説明されています。
【著作者】・・・・ 著作物を創作する人で、音楽CDの場合は作詞家・作曲家が該当します。
【実演家】・・・・ 著作物を演じたり、表現する人で、音楽CDの場合は歌手や演奏家が該当します。アーティストとも呼ばれます。
【レコード製作者】 音を最初に固定(録音)して原盤をつくった人で、音楽CDの場合は歌唱・演奏を録音し原盤を製作するレコード会社などが該当します。
引用元:一般社団法人日本レコード協会
![](https://canrunlife.com/wp-content/uploads/2022/01/chosakusha-rinsetukensha.jpg)
音楽CDには数多くの人々が関わっていますが、著作権法上では、楽曲の「作詞・作曲者」が著作権をもっています。
また、曲を歌った歌手や伴奏を演奏した演奏者などの「実演家」と呼ばれるアーティストや、CDやレコードなどを作った「音源製作会社」も著作隣接権者として著作権をもっています。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
今回私が演奏した楽曲『夏土産』は、作詞・作曲をして歌を歌った「中島みゆき」さんだけでなく、「演奏をした人」や「レコードやCDを制作した会社」にも著作権があるようです。
ということは、私が演奏した動画をユーチューブで流すためには、この3者全てから許可を得なければならないのでしょうか。(◎o◎)?
中島みゆきさんは、世界中の人から「あなたの曲を使わせて欲しいので許可してください」というお願いに対して、いちいち許可したり却下したりしているのでしょうか。(^_^;)
さらに調べてみました。
・楽曲の著作権を委託管理している団体
結論からいうと、作詞・作曲者や実演家・音楽制作会社の代わりに、楽曲の著作権を管理している団体が複数ありました。
その中で最も有名なのが、「ジャスラック JASRAC」(一般社団法人日本音楽著作権協会)という団体です。
JASRACのホームページ「JASRACの紹介」に、次のような記載があります。
JASRACは、膨大な数の管理楽曲をデータベース化し、演奏、放送、録音、ネット配信などさまざまな形で利用される音楽について、利用者の方が簡単な手続きと適正な料金で著作権の手続きができる窓口となっています。そして、お支払いいただいた使用料は、作詞者・作曲者・音楽出版者など権利を委託された方に定期的に分配しています。
引用元:JASRACのホームページ内「紹介」
つまり、JASRACは著作権者から著作権の管理を委託された団体で、JASRACが管理している楽曲であれば、利用者はJASRACに使用申請すればいいということです。
いちいち「作詞・作曲者」「実演家」「音源製作会社」に使用申請しなくてもいいのです。
そこで、今回私がソロギター演奏した楽曲『夏土産』は、JASRACが管理しているのか調べてみました。
調べた結果、『夏土産』はJASRACが管理していました。
![](https://canrunlife.com/wp-content/uploads/2022/01/5f52f118b95272034551d7b0b3bf1a31-1024x1005.png)
「この作品は、JASRACが一部の著作権を管理しています。」とあります。一部というのは、演奏や録音、配信は管理しているが、出版や広告については管理していないということのようです。
ですから、今回私がギター演奏した『夏土産』の動画をユーチューブで公開するためには、JASRACに許可を得ればいいということになります。
そこで次に、JASRACから許可を得る方法を調べてみました。
・ユーチューブへの動画アップロードの条件
JASRACが著作権を管理している楽曲の使用許可を得る方法を調べました。
JASRACのホームページへ行き、「音楽を使う方」-「インターネット上での音楽利用」-「非商用配信」と入っていくと、ユーチューブの動画投稿についての記載がありました。
ニコニコ動画、YouTubeなどの動画投稿(共有)サイトでの音楽利用
JASRACと許諾契約を締結しているサイトでの利用であれば、一定の条件のもと、動画の投稿者が個別にJASRACの許諾を得なくても、JASRAC管理楽曲を含む動画をアップロードすることができます。
引用元:JASRACのホームページ
つまり、ユーチューブでは、JASRACから個別に許可を得ずに動画を公開(アップロード)してもいいということです。
なぜならば、ユーチューブはJASRACと許諾契約を締結しているからです。
しかし、ここで注意があります。
自分が演奏した動画はOKですが、CDなどの音源を使うのはNGなのです。
JASRACが委託管理しているのは、楽曲を作詞・作曲した著作者の権利であって、演奏したり販売したりした著作隣接権者の権利は委託管理していないからです。
JASRACのホームページには、「動画投稿(共有)サービスで動画を配信する場合」のフローチャートがありましたので一部抜粋して掲載しておきます。
動画で使用する音源は自作である。
↓はい
動画を配信するのはJASRACと許諾契約を締結している動画投稿サービスである。
↓はい
動画の配信方法は、リアルタイムでの配信以外に、タイムシフトやアーカイブでの配信も行う。
↓はい
動画の内容、目的が広告である。
↓いいえ
動画をアップロードするのは「個人」である。
↓はい
配信が可能です。
引用元:JASRACのホームページ
まとめると、JASRACが委託管理している楽曲を、自分で演奏した動画であれば、誰にも許可を得ずにユーチューブで公開できるということです。
今回の私の場合、全ての条件を満たしているので、ユーチューブ公開OKだったのです。(^^)/
・ユーチューブでの歌詞掲載
自分で演奏した動画をユーチューブに公開することは、著作権の侵害にならないことはわかりました。
では、歌詞の掲載はどうなのでしょうか。
結論からいうと、ユーチューブでは、音源と同様に歌詞も、JASRACに許可を得ずに掲載することが可能です。
JASRACのホームページに、「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」(最終更新2021年4月30日)があります。冒頭部分の一部を引用します。
JASRACと利用許諾契約を締結している以下のサービスでは、一般ユーザーの皆さまが個別にJASRACへ利用許諾手続きを行なわなくともJASRAC管理楽曲を利用したUGC(動画・歌詞)をアップロードすることが可能です。
引用元:JASRACのホームページ
「UGCサービスの一覧」の中にユーチューブが含まれているので、JASRACに許可を得なくても動画や歌詞を公開することは可能だということがわかります。
まとめ:ユーチューブ公開の弾き語りやギター演奏は著作権侵害か?
ここまで、ユーチューブと著作権について調べたことを解説してきました。
ユーチューブ公開の弾き語りやギター演奏は著作権侵害か?
・楽曲における著作権法上の著作権者
・楽曲の著作権を委託管理している団体
・ユーチューブへの動画アップロードの条件
・ユーチューブでの歌詞掲載
調べた結果、自分で演奏した動画と歌詞は、誰にも許可を得ずに公開することが可能でした。
なぜならば、ユーチューブは著作権管理団体JASRACと許諾契約を締結しているからです。
今回、著作権の侵害を訴えられるかもしれないとヒヤヒヤしましたが、調べてみてホッとしました。
嬉しかったので調子に乗って、楽曲『糸』(作詞/作曲 中島みゆき)のTAB譜付きソロギター演奏動画もアップしてしまいました。(*^▽^*)
ぜひあなたも、自分の演奏動画をユーチューブに公開して楽しんでください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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