ギターには、ビブラートという音を揺らす「装飾音」のテクニックがあります。
「装飾音」は、曲の表情を豊かにするために部分的に付け加える音です。
歌でも長く伸ばす音にビブラートをかけることがありますが、ギターでも同じように長く伸ばす音でよく使われます。
ビブラートができると、ギターの音色に情感を込めることができるので、ぜひ習得したいテクニックです。
そこでこの記事では、ビブラートのやり方とカッコよく決めるコツを解説します。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
ビブラートのやり方
音の高さを上げたり下げたりして、音の揺らぎをつくるのがビブラートです。
ギターで行うビブラートは、左指で同じ弦の同じフレットを押さえたまま、音を上下動させます。
音を上下動させるやり方は2通りあります。
- 指を縦に動かすビブラート
- 指を横に動かすビブラート
楽譜では「Vib」と波線が書かれています。
ビブラートをかける方法は明記されていないので、やり方は演奏者に任されています。
それぞれのやり方をひとつずつ解説していきます。
指を縦に動かすビブラート
ビブラートのやり方1つ目は、指を縦に動かす方法です。
フォークギターやエレクトリックギターなど、金属の弦が張ってあるギターでは、主にこの方法でビブラートをかけます。
指を縦方向に動かすのはチョーキングと同じですが、チョーキングを繰り返すところがビブラートとチョーキングの違いです。
ビブラートは、小刻みにチョーキング・アップとチョーキング・ダウンを繰り返すことで、音の揺らぎをつくっていきます。
指を縦に動かすビブラートの効果を、サンプル音源や動画で確認してください。
サンプル音源や動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
指を横に動かすビブラート
ビブラートのやり方2つ目は、指を横に動かす方法です。
クラッシックギターやガットギターなど、ナイロン弦が張ってあるギターでは、主にこの方法でビブラートをかけます。
フォークギターやエレクトリックギターでも、この方法で震えるような揺らぎを表現することができます。特に、ハイフレットではその効果が出しやすくなっています。
指を横に動かすビブラートの効果を、サンプル音源や動画で確認してください。
サンプル音源や動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
指を横に動かすビブラートは、和音でも効果を発揮します。
ビブラートの種類
ビブラートは音符で表すことができない演奏法なので、分類するのは難しいのですが、あえて分けるとするならば次のようになります。
- 音の揺れ幅の大小
- 揺らぎの速さの遅速
それぞれ解説していきます。
音の揺れ幅の大小
ビブラートは、音の揺れ幅の大小があります。
元の音から、半音の半分くらい上げるもの、半音(1フレット分)くらい上げるもの、さらに全音(2フレット分)くらい上げるものです。
サンプル音源を聞いて、音の揺れ幅の大小によって印象がどのくらい変わるかを確認してください。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
揺らぎの速さの遅速
ビブラートは、音の揺らぎが速いものと遅いものがあります。
サンプル音源を聞いて、音の揺らぎの速さによって印象がどのくらい変わるかを確認してください。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
ビブラートをカッコよく決めるコツ
ビブラートは、曲に色気を出すことができるので、カッコよく決めたいですね。
そのために次の4つのコツをつかんでください。
- ビブラートの音の上下動を一定にする
- ビブラートの揺れの速さを一定にする
- ビブラートをかけるタイミングを遅らせる
- ビブラートは音の高さを戻して終わる
ひとつずつ解説していきます。
ビブラートの音の上下動を一定にする
ビブラートは、基本的に音の上下動を一定にした方がカッコよく聞こえます。
指を縦に動かすビブラートでは、音の上下動を安定させるために、親指を支点に手首を回すように動かします。指先だけを動かすと、安定したビブラートが難しくなります。
下のイラストを見ながら、サンプル音源を聞き比べてください。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
どうですか。上下動が一定していないと、落ち着きがなく下手な演奏に聞こえたのではないでしょうか。
ビブラートは、音の上下動が一定の方がカッコイイですね。
ビブラートの揺れの速さを一定にする
ビブラートは、基本的に揺れの速さを一定にした方がカッコよく聞こえます。
下のイラストを見ながら、サンプル音源を聞き比べてください。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
いかがでしたか。揺れの速さが一定していないと、違和感があったのではないでしょうか。
ビブラートの音の揺れは、一定の速さにした方が哀愁が漂います。
ビブラートをかけるタイミングを遅らせる
ビブラートは、ピッキングした後に少し待ってからかけるようにします。
なぜならば、ピッキング直後にビブラートをかけると、元の音よりも高い音の方が耳に残るので、ピッチが外れた演奏に聞こえてしまうからです。
下のイラストを見ながら、サンプル音源を聞き比べてください。違いがよくわかるように、フレーズの中でビブラートをかけています。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
わずかな違いですが、ピッキングした後に少し待ってからビブラートをかけた方が良かったのではないでしょうか。聞き比べることでビブラートを遅らせる効果が感じられたと思います。
このように、ビブラートは少し遅らせてかけることで、違和感がなく落ち着いた演奏になります。
ビブラートは音の高さを戻して終わる
ビブラートは、音が消えるまで続けることもありますが、音が残っているときに揺れを止めることもあります。
そのような場合、ビブラートは音の高さを元に戻して終わるようにします。
なぜならば、音程がずれた高い音で終わると、落ち着かない感じになるからです。
下のイラストを見ながら、サンプル音源を聞き比べてください。
サンプル音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
どうですか。高い音で終わると、音程が合わない音痴になりますね。
このように、音が残っているときにビブラートを止めるときは、最後の音を元の高さに戻すようにすると落ち着きます。
もちろん、高い音で終わることをねらってビブラートをかけたのなら、元の音の高さに戻す必要はありません。
ここで解説していることは全て原則的なことであり、絶対にそうでなければならないと決められたものではありません。あくまでもビブラートを上手く弾くためのアドバイスです。
まとめ:ギターでビブラート!やり方とカッコよく決めるコツ
ここまで、ビブラートのやり方とカッコよく決めるコツを解説してきました。
ビブラートのやり方
指を縦に動かすビブラート
指を横に動かすビブラート
ビブラートの種類
音の揺れ幅の大小
揺らぎの速さの遅速
ビブラートをカッコよく決めるコツ
ビブラートの音の上下動を一定にする
ビブラートの揺れの速さを一定にする
ビブラートをかけるタイミングを遅らせる
ビブラートは音の高さを戻して終わる
ギターでビブラートができると、心にグッと響いてカッコいいので、この記事を参考にぜひ習得してください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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