ギターのストローク演奏は、他の楽器では表現できない独特なサウンドがあり、多くの曲で使われています。
しかし、ストローク・パターンを理解せずに演奏すると、リズムが不安定になり、楽曲の魅力が損なわれてしまいます。
そこでこの記事では、ギター初心者でも簡単に理解できる8ビート・ストロークの構造と、多くの曲で使われている代表的な7つのパターンを解説します。
8ビート・ストロークの構造をマスターすることで、
- 安定したリズム感を刻める
- 楽曲に適したストローク・パターンを選べる
- オリジナルのストローク・パターンを作れる
など、多くのメリットがあります。
ぜひ、この記事を参考に、8ビート・ストロークを練習して、ギター演奏を上達させてください。
もくじ
8ビート・ストローク・パターンの構造
ストロークのパターンは、『8ビートの基本パターン』から拍を抜いてつくられていると考えれば、その構造が理解できます。
8ビートの基本パターン
1小節に8分音符が8個入っているリズムを「8ビート」といいます。
下の楽譜がストローク・パターンの元となる『8ビートの基本パターン』です。
ダウン・ストロークとアップ・ストロークを交互に繰り返しているので、「オルタネイト・ピッキング」または「オルタネイト・ストローク」といいます。
英語”alternate”は「交互の」という意味です。
次のサンプル音源は、CコードとGコードを1小節ずつテンポ100で演奏したものです。
再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。(以下同様)
1小節に8分音符が8個入っている「8ビート」では、アップ・ダウンのストロークを交互に8回行います。
表拍はダウン・ストローク、裏拍はアップ・ストロークで弾きます。「1と2と3と4と」と数えたとき、「数字」の所が表拍、「と」の所が裏拍になります。
ストロークの音を言葉で表現すると「ジャ・カ・ジャ・カ・ジャ・カ・ジャ・カ」で、「ジャ」が表拍でダウン・ストローク、「カ」が裏拍でアップ・ストロークです。
のちほど紹介するストローク・パターンを演奏する際にも、右手は『8ビートの基本パターン』通りに動かし続けます。音を出さないところでも、右手は同じように動かすということです。これを「空(から)ピッキング」といいます。
「空ピッキング」をしないとリズムが安定しないので、「空ピッキング」はとても大切なテクニックです。
<表拍と裏拍について>
同じ速さで「パン・パン・パン・パン」と4回手をたたくと4拍子になりますが、「パン」と手をたたいた所が『表拍』で、手をたたかなかった所が『裏拍』になります。
演歌などで手拍子をするときは『表拍』をたたきますが、ロックなどでは「んチャ・んチャ・んチャ・んチャ」と『裏拍』をたたきます。
4ビートの基本パターン
『8ビートの基本パターン』から裏拍を抜くと、ダウン・ストロークだけになります。これが『4ビートの基本パターン』です。
「1と2と3と4と」では、アップ・ストロークの「と」を抜いた「1・2・3・4」が4ビートです。
また、「ジャ・カ・ジャ・カ・ジャ・カ・ジャ・カ」ではアップ・ストロークの「カ」を抜いた「ジャん・ジャん・ジャん・ジャん」が4ビートです。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
このように、ストローク・パターンは、どの拍を弾くのかではなく、どの拍を抜くのかを考えた方が理解しやすくなります。
そこでここからは、『8ビートの基本パターン』から拍を抜いてできるストローク・パターンについて解説していきます。
1小節分のストローク・パターン121種類
1小節分のストローク・パターンは全部で121種類あります。
なぜならば、半小節分のストローク・パターンは11種類あり、それを前後に2つ並べると、11×11=121種類になるからです。
そこでここからは、1小節の半分の長さである「半小節分のストローク・パターン」について整理していきます。
半小節分のストローク・パターン
半小節は8分音符4個分ですが、その中から表拍か裏拍を1つ、あるいは2つ抜くと、10種類のパターンができます。
1つも抜かないパターンも含めると、「半小節分のストローク・パターン」は11種類できます。(下図)
以上の11種類が、「半小節分のストローク・パターン」です。
次に、「1小節分のストローク・パターン」について整理します。
1小節分のストローク・パターン
11種類ある「半小節分のストローク・パターン」を前後に2つ並べると、「1小節分のストローク・パターン」ができます。
「1小節分のストローク・パターン」は、全部で11×11=121種類できます。
たとえば「半小節分のストローク・パターン」の②と③を並べると次のようになります。
121種類も覚えられないと思うかも知れませんが、実際に使われているストローク・パターンはそんなに多くありません。
ここからは、代表的なストローク・パターンを紹介します。
多くの曲で使われている7つのストローク・パターン
多くの曲で使われている代表的な7つのストローク・パターンを紹介します。
実際にギターを弾くときは、右手は『8ビートの基本パターン』通りに動かし続けます。音を出さないところは「空ピッキング」をして、リズムを安定させるようにしましょう。
パターン①[拍抜きなし]
半小節分のストローク・パターン[①+①]
『8ビートの基本パターン』を前後に並べたストローク・パターンです。
アクセントが2表・4表にあり、ロック調のテンポが速い曲に合います。
パターン②[1裏拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[④+①]
1裏拍を抜いたこのストローク・パターンは、もっともオーソドックスなパターンです。
1表拍だけにアクセントをつける曲と、2表拍・4表拍にアクセントをつける曲があります。
どんなストロークにしたらいいのかわからないときは、とりあえずこのストローク・パターンで演奏してみて、他にどの拍を抜くかを考えていくといいでしょう。
パターン③[1裏拍・3裏拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[④+④]
半小節ずつコードが変わる曲などに多く使われるストローク・パターンです。
パターン④[1裏拍・3表拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[④+⑤]
1裏拍と3表拍を抜いたこのストローク・パターンは定番中の定番で、J-POPの曲などで多く使われています。
パターン⑤[1裏拍・4裏拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[④+②]
1裏拍と4裏拍を抜いたこのストローク・パターンは、昔のフォークソングでよく使われたパターンです。
パターン⑥[1裏拍・2裏拍・4表拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[⑦+③]
ゆっくりめの歌謡曲などによく使われるパターンです。1拍目のダウンストロークは、ジャラーンと鳴らすと雰囲気が出ます。
パターン⑦[3表拍 抜き]
半小節分のストローク・パターン[①+⑤]
テンポの速いロック調の曲でよく使われるパターンです。
まとめ:ギターの8ビート・ストローク!7つの代表パターンと基本構造
ギターのストローク演奏は、他の楽器では表現できない独特なサウンドがあるので、多くの曲で使われています。
しかし、ストローク・パターンを理解しないで演奏すると、行き当たりばったりの演奏になってしまい、安定したリズムを刻むことができません。
そこでこの記事では、まず8ビートのストローク・パターンの構造を解説し、次に代表的な7つのストローク・パターンを紹介しました。
8ビート・ストローク・パターンの構造
・8ビートの基本パターン
・4ビートの基本パターン
1小節分のストローク・パターン121種類
・半小節分のストローク・パターン
・1小節分のストローク・パターン
多くの曲で使われている7つのストローク・パターン
・パターン①[拍抜きなし]
・パターン②[1裏拍 抜き]
・パターン③[1裏拍・3裏拍 抜き]
・パターン④[1裏拍・3表拍 抜き]
・パターン⑤[1裏拍・4裏拍 抜き]
・パターン⑥[1裏拍・2裏拍・4表拍 抜き]
・パターン⑦[3表拍 抜き]
ストロークのパターンが理解できれば、安定したストローク演奏が可能になるだけでなく、楽曲に適したストローク・パターンをみつけたり、オリジナルのストローク・パターンを作り出したりすることもできるようになりますので、ぜひチャレンジしてみてください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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