ギターソロの最中に「ギューーン」ジェット機が飛んでいくような音が!
そう、それがピックスクラッチ奏法です。
ギターソロでは、インパクトのあるフレーズとしてピックスクラッチ奏法が使われます。
スピード感があってカッコいいのですが、どのように音を出しているのでしょうか。
そこでこの記事では、ピックスクラッチ奏法のやり方と注意点を解説します。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
ピックスクラッチ奏法のやり方
ピックスクラッチ奏法のやり方を、次の7観点で解説します。
- スクラッチする弦
- ピックを弦に当てる場所
- ピックを弦に当てる角度
- ピックの持ち方
- ピックアップのセレクト
- スクラッチのスピード
- ギターの音色
スクラッチする弦
ピックを当ててこする弦、つまりスクラッチする弦は巻き弦が基本です。
巻き弦は表面がザラザラなので、ゆっくりピックでこすると「ギリ、ギリ」と音が出ます。
しかし、裸弦は表面がツルツルなので、ピックでこすっても音が出ません。
ピックスクラッチ奏法は、巻き弦を使って行う演奏法です。
ピックを弦に当てる場所
基本的にピックを弦に当てる場所はピックの側面です。
ピックの先端でもピックスクラッチ奏法はできますが、弦に当てる面積が小さくなるので、ピックを動かしている最中にピックが弦から外れるなど、演奏が不安定になります。
また、ピックスクラッチ奏法をすると、ピックがすり減ります。ピックの先端がすり減ると、通常の演奏中にピックが弦にひっかかってしまいます。
このような理由から、ピックスクラッチ奏法は、ピックの側面で行うようにしましょう。
ピックを弦に当てる角度
ピックスクラッチ奏法では、弦に対して垂直になるようにピックを当てると、良い音が出ます。
進行方向に向かって後傾したり前傾したりすると、弦とピックの抵抗が小さくなるため、音がキレイに出ないことがあります。
ピックは色々なタイプがあり、それぞれ形状や材質が違います。
そのため、ピックを弦に当てるベストな角度は、垂直を基本としながらも使用するピックごとに違います。
自分が使用するピックで試行錯誤をして、ベストな角度をみつけましょう。
ピックの持ち方
通常のピッキングのときに、親指に触れている方を「ピックの表(おもて)面」、人差し指に触れている方を「ピックの裏(うら)面」とすると、ピックスクラッチ奏法でのピックの持ち方は2通りに分かれます。
- 「ピックの表面」をヘッド側に向ける(写真左)
- 「ピックの裏面」をヘッド側に向ける(写真右)
「ピックの表面」をヘッド側に向ける場合(写真左)、ピックの持ちかえはほとんどありません。手首の角度を変えるだけです。
手首を大きく曲げなければならないので、座って弾くときは右腕が少し窮屈になります。
ストラップを使って立って弾くときは、体に対して弦の位置が下がるので、ピックスクラッチがやりやすいでしょう。
「ピックの裏面」をヘッド側に向ける場合(写真右)、ピックを親指と人差し指の先でつまむように持ちかえます。
この場合、垂直にピックを弦に当てやすいので、ピックスクラッチの音が出しやすいという利点があります。
しかし、わずかですがピックの持ちかえをしなければならないので、ピックを落としてしまう危険性があります。
ピックの表面と裏面、どちらが正しいということはないので、両方試してみてやりやすい方法を選べばいいでしょう。
ピックアップのセレクト
ピックスクラッチ奏法では、ピックアップはリア・ピックアップが基本です。
なぜならば、ヘッド側にピックを移動させると、ピッチが一定に下がっていくからです。
フロント・ピックアップをセレクトした場合は、ブリッジからフロント・ピックアップまでの間ではピッチが上がっていき、フロント・ピックアップを過ぎるとピッチが下がっていきます。
つまり、ピッチの変化が一定ではないので、スピード感が損なわれてしまいます。
このような理由から、ピックスクラッチ奏法は、リア・ピックアップで行うのが基本です。
スクラッチのスピード
ジェット機のような効果音を出すためには、比較的速いスピードでピックを動かします。
音が近づいた後に遠ざかっていくようなドップラー効果を表現するためには、始めにブリッジ方向にピックを動かし、その後一気にヘッドに向けてピックを走らせます。
ピックを動かす速さによってどのようなスピード感が得られるかいろいろ試して、好みのサウンドを作っていきましょう。
ギターの音色
クリーントーンと歪み系のトーンでは、歪み系のトーンの方がピックスクラッチ奏法に合っています。
ピックスクラッチ奏法のサウンドは、ロック系の音楽に適しているので、ディストーションやオーバードライブなどの歪んだトーンが似合います。
ピックスクラッチ奏法の注意点
ピックスクラッチ奏法をすると、ピックが削れます。
やわらかいピックだと、1回ピックスクラッチをするだけでもかなり削れます。
そのため、高価なピックでピックスクラッチ奏法をするのは、オススメできません。
また、ライブのときは、替えのピックを何枚か用意しておくと安心です。
このように、ピックスクラッチ奏法は、ピックの寿命が短くなることを納得した上で実践してください。
ピックスクラッチ奏法の解説動画
ピックスクラッチ奏法のやり方を動画にまとめました。
動画の最後には、ピックスクラッチ奏法を応用した演奏例を参考として収録しています。
- スクラッチする弦の違い
- ピックの角度による違い
- ピックアップによる違い
- ギターの音色による違い
- ピックスクラッチの応用
動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
まとめ:ギターのピックスクラッチ奏法!やり方と注意点を解説
ここまで、ピックスクラッチ奏法のやり方と注意点を解説してきました。
ピックスクラッチ奏法のやり方
スクラッチする弦
ピックを弦に当てる場所
ピックを弦に当てる角度
ピックの持ち方
ピックアップのセレクト
スクラッチのスピード
ギターの音色
ピックスクラッチ奏法の注意点
ピックスクラッチ奏法の解説動画
ピックスクラッチ奏法は、ジェット機が飛んでいくような音がするので、とてもインパクトがありカッコいいですね。
しかし、ピックスクラッチ奏法をすると、ピックが削れてしまいます。ピックスクラッチ奏法は、ピックの寿命が短くなるというリスクがあることを理解した上で実践してください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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