ギター演奏を聞いていると、ときどき「ポーン」という高い音が聞こえてくることがあります。
この音は、ハーモニクスというテクニックを使って出すことができます。
ここぞというときに「ポーン」と鳴らすと、聞いている人をハッとさせることができるので、ぜひ自分の演奏に取り入れたくなりますね。
そこでこの記事では、ハーモニクスのやり方とコツ、そして高い音が出る原理と音程について解説します。
どうぞ最後までお読みください。
もくじ
ハーモニクスとは
ハーモニクスとは、基準となる音よりも高い音(倍音)を出すギターのテクニックです。
ハーモニクスは、大きく分けて3種類あります。
- ナチュラル・ハーモニクス
- ピッキング・ハーモニクス
- タッピング・ハーモニクス
ナチュラル・ハーモニクスとは、たとえば6弦の12フレットの真上を軽く指で触れた状態でピッキングし、倍音を出す演奏法のことです。
ピッキング・ハーモニクスとは、ピックを持っている親指の側面を弦に当てながらピッキングすることで、金属的な甲高い音を出す演奏法のことです。
ピッキング・ハーモニクスについては、ギターでピッキング・ハーモニクス!やり方とコツ[動画あり]で詳しく解説しています。
タッピング・ハーモニクスとは、ナチュラル・ハーモニクスが出るフレットの上を、右手の指で叩くことにより、倍音を出す演奏法のことです。
タッピング・ハーモニクスについては、ギターでタッピング・ハーモニクス!やり方とコツ[動画あり]で詳しく解説しています。
このようにハーモニクスは3種類ありますが、この記事では初めに紹介したナチュラル・ハーモニクスについて解説します。
ナチュラル・ハーモニクスのやり方とコツ
ギターでは、ナチュラル・ハーモニクスの音が出る位置は決まっています。
その中でもっとも音が出やすいのは、6弦の12フレットです。
そこでここからは、6弦12フレットでのナチュラル・ハーモニクスのやり方を解説します。
- まず、12フレットの真上で6弦に軽く指を置きます。押さえるのではなく、やさしく触れる感じです。
- 次に、6弦をピッキングします。
- すると、「ポーン」という高い音が出ます。
6弦12フレットのハーモニクスで出た音は、6弦開放の音より1オクターブ上の「ミ(E)」です。
キレイにハーモニクスの音を出すためには、左手の指の位置が重要です。
指で弦に触れる位置は、12フレットの真上です。
ふだんギターを弾くときは、フレットとフレットの間を指で押さえますが、この位置ではハーモニクスの音は出ません。必ずフレットの真上に指を置くようにします。
ハーモニクスの音を長く響かせるためには、ピッキングした後すぐに指を弦から離します。ピッキング後も弦に触れていると、振動が弱まり短時間で音が消えてしまうからです。
指を離すタイミングがあまり早すぎると、ハーモニクスの音は鳴らず、開放弦の音が鳴ってしまいます。
また、指を離すタイミングが遅すぎると音の伸びがありません。
ハーモニクスの音をキレイに長く伸ばすためには、指を離す絶妙のタイミングを感覚的に身につける必要があります。
いろいろと試して、指を離すタイミングを体得しましょう。
ナチュラル・ハーモニクスの音が出やすい位置
ナチュラル・ハーモニクスの音が出やすいのは、12フレット、7フレット、5フレットの位置です。
なぜならば、12フレットは弦長の1/2(2分の1)、7フレットは弦長の1/3(3分の1)、5フレットは弦長の1/4(4分の1)だからです。
弦長とは、ヘッドとネックの境目にある「ナット」から、ボディのブリッジ上にある「サドル」までの長さです。
弦長の「整数分の1」の位置が、ナチュラル・ハーモニクスの音が出やすい位置です。
12フレットでのナチュラル・ハーモニクス
下のイラストを見てください。弦長の1/2に当たる12フレット上で、弦に触れてピッキングすると、弦の振動数が2倍になります。
弦の振動数が2倍になるということは、1オクターブ上の音が出るということです。
6弦を例にすると、開放音は「ミ(E)」なので、12フレットのナチュラル・ハーモニクスの音はそれより1オクターブ上の「ミ(E)」になります。これは、6弦12フレットの音と同じ音です。
5フレットでのナチュラル・ハーモニクス
弦長の1/4に当たる5フレット上で、弦に触れてピッキングすると、弦の振動数が4倍になります。
弦の振動数が4倍になるので、2オクターブ上の音が出ます。
6弦を例にすると、開放音は「ミ(E)」なので、5フレットのナチュラル・ハーモニクスの音はそれより2オクターブ上の「ミ(E)」になります。これは、1弦開放と同じ音です。
7フレットでのナチュラル・ハーモニクス
弦長の1/3に当たる7フレット上で、弦に触れてピッキングすると、弦の振動数が3倍になります。
弦の振動数が3倍になるので、1オクターブ+5度上の音が出ます。
5度上というのは、ギターでは7フレット分上の音程になります。
1オクターブ上が12フレットなので、振動数が3倍になるということは、19フレットの音が鳴るということです。
実は、7フレットと19フレットでのナチュラル・ハーモニクスは同じ音になります。
6弦を例にすると、開放音は「ミ(E)」なので、7フレットのナチュラル・ハーモニクスの音はそれより1オクターブ上の「シ(B)」になります。これは、6弦19フレット、2弦開放と同じ音です。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
ナチュラル・ハーモニクスの音が出やすいのは、弦長の1/2、1/3、1/4の位置です。
2/3、3/4の位置でも音が出やすいのですが、かなりハイポジションなので、説明から省いています。1/4と同じ音が出る3/4は、指板を越えてサウンドホールの上になります。
ナチュラル・ハーモニクスを6弦で行ったときの音程を五線譜にまとめました。
ナチュラル・ハーモニクスの音程
各弦の5・7・12フレットでナチュラル・ハーモニクスをしたとき、何の音が出るのかを指板図で表しました。
[ A=ラ B=シ C=ド D=レ E=ミ F=ファ G=ソ ]
整数分の1のナチュラル・ハーモニクス
ナチュラル・ハーモニクスは、弦長の「整数分の1」の位置で鳴るので、1/5や1/6でも鳴ります。
しかし、弦長の「整数分の1」の整数の値が大きくなればなるほど、音を出すのが難しくなります。
また、弦長の「整数分の1」の位置がフレットとフレットの間になることもあり、どこに指を置いたらいいのかがわかりません。
このような理由から、1/2(12フレット)、1/3(7フレット)、1/4(5フレット)以外でのナチュラル・ハーモニクスは、初心者には難しいでしょう。
5・7・12フレット以外のナチュラル・ハーモニクスは、上級者が扱うテクニックだと思ってください。
ナチュラル・ハーモニクスの演奏例
ナチュラル・ハーモニクスは正確な音程が出せるので、その音だけで演奏することが可能です。
また、複数のナチュラル・ハーモニクス音を同時に出す演奏法もあります。
それらの演奏例を動画で確認してください。
動画を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。
まとめ:ギターでハーモニクス!やり方とコツ、原理と音程
ここまで、ナチュラル・ハーモニクスのやり方とコツ、そして高い音が出る原理と音程について解説してきました。
ハーモニクスとは
ナチュラル・ハーモニクスのやり方とコツ
ナチュラル・ハーモニクスの音が出やすい位置
12フレットでのナチュラル・ハーモニクス
5フレットでのナチュラル・ハーモニクス
7フレットでのナチュラル・ハーモニクス
ナチュラル・ハーモニクスの音程
整数分の1のナチュラル・ハーモニクス
ナチュラル・ハーモニクスの演奏例
ここぞというときに、聞いている人をハッとさせるナチュラル・ハーモニクス。ぜひ習得して、自分の演奏に取り入れてみてください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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