楽器屋さんに行くと、様々な種類のギター弦が並んでいます。
しかし、自分のギターには、どの弦が合うのかよくわかりませんね。

そこでこの記事では、ギター弦の種類や特徴、一般的に選ばれている弦について解説します。
とりあえず大多数が使っている弦から始めて、自分の好みの弦を選ぶことができれば、理想の音色と弾き心地を楽しむことができます。
どうぞ最後までお読みください。
ギターの3タイプ
ギターには3タイプあり、それぞれに適した弦があります。
電気を使うギターはエレクトリックギターですが、電気を使わないアコースティックギターには、フォークギターとクラシックギターがあります。

3つのタイプのギターは、それぞれ次のように呼ばれます。
- フォークギター:アコギ
- クラシックギター:クラギ
- エレクトリックギター:エレキ
ここからは、アコギ・クラギ・エレキという通称を使って解説を進めます。
プレーン弦と巻き弦
1本のギターには、プレーン弦と巻き弦が張ってあります。
- プレーン弦:周りに何も巻いていない芯線だけの弦(裸弦)
- 巻き弦:芯線の周りに細い針金が巻きつけてある弦(巻線弦)
それぞれどのような弦なのかを解説します。
プレーン弦
下のイラストは、アコギとエレキのプレーン弦の構造です。

芯線だけで、周りに何も巻いてありません。そのため、裸弦ともいいます。
プレーン弦の素材は、アコギとエレキは金属、クラギはナイロンです。
また、一般的なクラギ弦はボールエンドがついていません。近年はボールエンドが付いているクラギ弦も販売されています。
<プレーン弦>
ギターのタイプ | アコギ | エレキ | クラギ |
芯線の素材 | 金属 | 金属 | ナイロン |
ボールエンド | 有 | 有 | 無(有) |
巻き弦
下のイラストは、アコギとエレキの巻き弦の構造です。

芯線の周りに、細い針金が巻いてあります。そのため、巻線弦、またはワウンド弦ともいいます。
アコギとエレキの巻き弦は、芯線も周りに巻いている針金も金属です。
クラギの巻き弦は、極細のナイロン線を200本くらい束ねた芯線の周りに、銀メッキの銅線が巻かれています。
<巻き弦>
ギターのタイプ | アコギ | エレキ | クラギ |
芯線の素材 | 金属 | 金属 | ナイロン |
芯線の本数 | 1本 | 1本 | 複数(約200本) |
針金の素材 | 金属 | 金属 | 金属 |
ボールエンド | 有 | 有 | 無 |
巻き弦は、外側に巻く針金の形により、ラウンド・ワウンド弦とフラット・ワウンド弦に分けられます。
それぞれ解説します。
ラウンド・ワウンド弦

ラウンド・ワウンド弦は、最もスタンダードな弦です。
ポップやロック、ブルースなど、あらゆるジャンルの音楽で使用されています。
芯線に巻いてある針金が丸く表面が凹凸になっているので、弦を押さえるとザラザラとした感触があります。
ラウンド・ワウンド弦は、次のような特徴があります。
- 明るく張りのある音が出る
- サスティンが長い
- フィンガーノイズが出やすい
- 弦の寿命が短い
弦の寿命は短いものの、ハッキリとした明るい音が出るので、多くのギタリストに選ばれています。
弦を押さえた指を動かしたときに出る「キュッ、キュッ」というフィンガーノイズが出やすいのですが、これは好みの分かれるところです。
どの弦を選んだらいいのかわからないときは、このラウンド・ワウンド弦にしておけば間違いありません。
フラット・ワウンド弦

フラット・ワウンド弦は、少し特殊な弦です。
使用される音楽ジャンルは、主にジャズです。
芯線に巻いてある針金の表面が平らなので、弦を押さえるとツルツルとした感触があります。
フラット・ワウンド弦は、次のような特徴があります。
- 高音域がカットされた張りの無い音が出る
- サスティンは短い
- フィンガーノイズが出にくい
- 弦の寿命が長い
弦の張りが強くフィンガーノイズも少ないので、チョーキングよりもスライドを多用したフレーズが合っています。
このような特徴がジャズに合っているので、ジャズ・ギタリストが好んで使っています。
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ここまで、プレーン弦と巻き弦について解説してきました。
次は、それぞれのタイプのギターに適した弦について解説します。
アコギの弦

弦の太さをゲージといいますが、アコギで最も選ばれている弦は、ライト・ゲージです。
弦のタイプは、ブロンズ弦あるいはフォスファーブロンズ弦、どちらもよく選ばれています。
最近では、コーティング弦もよく使われるようになってきました。

アコギは、1・2弦がプレーン弦、3・4・5・6弦が巻き弦です。
アコギ弦の太さ


どの太さの弦にするか迷ったときは、ライト・ゲージにしましょう。ライト・ゲージは、最も一般的で扱いやすく、音量もサスティン(音の伸び)も十分にあるからです。
ギター初心者で、コードを押さえるのが大変だという人は、エクストラ・ライト・ゲージをお勧めします。エクストラ・ライト・ゲージは、弦の張りが弱いため、コードなどを楽に押さえられるからです。しかし、音量やサスティンはライト・ゲージに劣ります。
また、力強いストロークをするのであれば、ミディアム・ゲージやそれより太いヘヴィ・ゲージを選ぶのもいいでしょう。弦の張りが強いので、大きな音量が出るからです。しかし、コードなどを押さえるには、かなりの力が必要です。
アコギ弦のタイプ
アコギ弦は金属製ですが、使われている素材等により3つのタイプがあります。
・ブロンズ弦
ブロンズ弦は、銅を主成分としてスズを加えた合金で、金色がかった色をしています。
フォスファーブロンズ弦より耐久性が劣りますが、音質的にはパワーがあり全体的にバランスが取れています。
・フォスファーブロンズ弦
フォスファーブロンズ弦は、ブロンズに少量のリンを加えた合金で、赤みがかった赤銅色をしています。
耐久性はブロンズ弦よりもやや高く、サスティンがあり温かみのあるサウンドが特徴です。
・コーティング弦
コーティング弦は、ブロンズ弦やフォスファーブロンズ弦を薄い皮膜でコーティングをした弦で、通常の弦よりも約3倍長持ちします。そのため、ロングライフ弦とも呼ばれます。
私も使ったことがありますが、非コーティングのブロンズ弦に比べると、音色はややこもった印象を受けます。この音色を良いとするか悪いとするかは、ギターを弾く人の好みになりますね。
エレキの弦

エレキの弦は、ジャンルによって選ばれるゲージ(弦の太さ)が違います。
ロックなどのジャンルではスーパー・ライト・ゲージ、ジャズなどはミディアム・ゲージが一般的です。
弦のタイプは、ニッケル弦が最も多く選ばれています。

エレキは、1・2・3弦がプレーン弦、4・5・6弦が巻き弦です。
エレキ弦の太さ


ギターソロでチョーキングを多用する場合は、細いエクストラ・ライト・ゲージやスーパー・ライト・ゲージがオススメです。
しかし、エクストラ・ライト・ゲージは、最も細く切れやすいのが難点です。また、ショートスケールのレスポールなどに張ると、弦の張力が弱すぎて音の張りがなくなります。
ジャズなどのジャンルでは、チョーキングよりもスライドを多用するので、ミディアム・ゲージ等の太い弦が合っています。
エレキ弦のタイプ
エレキ弦は金属製で、使われている素材等により4つのタイプがあります。
・ニッケル弦
ニッケル弦は、柔らかく錆びにくいので、多くのギタリストが使っています。
ニッケルは、ギターのピックアップの磁石と良く反応するので、エレキギターに最も適しています。
・スチール弦
スチール弦は、鉄にクロム等を加えた合金で、強度が優れていて切れづらいのが特徴です。
固い素材なので、音色はシャープです。
・ステンレス弦
ステンレス弦は、錆びに強い素材なので、弦が長持ちします。
弾き心地は固めで、ザラザラとした感触です。
高音域がよく出る明るいサウンドが特徴です。
・コーティング弦
コーティング弦は、ニッケル弦を薄い皮膜でコーティングしていて、通常の弦よりも約3倍長持ちします。
表面がツルツルしているので、弾き心地が他の弦と違います。
音色は、良くいえばマイルド、悪くいえばこもった感じです。
クラギの弦

クラギ弦で最も多く選ばれているのは、ナイロン製のノーマル・テンションの弦です。

クラギは、1・2・3弦がプレーン弦、4・5・6弦が巻き弦です。
クラギ弦の太さ


クラギ弦は、太さによる違いではなく、弦の張り具合であるテンション(張力)でも分類されます。
- ロー・テンション:押さえやすいがチューニングが狂いやすい
- ノーマル・テンション:最もバランスがとれている
- ハイ・テンション:芯のあるハッキリとした音が出る
クラギ弦のタイプ
クラシックギターは、ガットギターということがありますが、ガットとは牛や羊の腸を使った弦のことです。つまり、昔のクラシックギターは、動物の腸を伸ばしたものが、弦として張られていたのです。
・ナイロン弦
文明が発達しナイロンが普及すると、天然素材のガット弦に変わって、製造しやすいナイロン弦がクラシックギターに張られるようになりました。
今では、クラギ弦といえば一般的にナイロン弦です。
・フロロカーボン弦
フロロカーボン弦は、硬度と強度が高く、耐久性があるのが特徴です。
弦が硬いので、ナイロンのようなぼけた音ではなく、ハッキリとした音が出ます。
しかし、押さえたときの感覚は硬くなります。
強度が高いので、釣り糸でも使われています。
・チタニウム弦
チタニウム弦は、ナイロン弦に混成物を加えて硬度を強化した弦です。
音質、弾き心地、強度も、ナイロン弦とフロロカーボン弦の中間的な性格になります。
チタニウムという名称ですが、実際に金属のチタンが入っているわけではありません。
まとめ:ギター弦の種類!太さ硬さと材質[アコギ/エレキ/クラギ]
ここまで、ギター弦の種類や特徴、一般的に選ばれている弦について解説してきました。
プレーン弦と巻き弦
プレーン弦
巻き弦
ラウンド・ワウンド弦
フラット・ワウンド弦
アコギの弦
アコギ弦の太さ
アコギ弦のタイプ
・ブロンズ弦
・フォスファーブロンズ弦
・コーティング弦
エレキの弦
エレキ弦の太さ
エレキ弦のタイプ
・ニッケル弦
・スチール弦
・ステンレス弦
・コーティング弦
クラギの弦
クラギ弦の太さ
クラギ弦のタイプ
・ナイロン弦
・フロロカーボン弦
・チタニウム弦
ギターの弦は、弾き心地や音色にかかわる大切なアイテムです。
理想の弦を選んで、あなたのギターライフを充実させてください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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