同じ曲を弾いているのに、コードが違う・・・
そんな経験はありませんか?
実は、ギターにはコードを弾くための秘密のシステムが存在します。
それがCAGEDシステムです。
CAGEDシステムは、たった5つのコード型を覚えるだけで、指板上のすべてのコードを理解できる画期的な方法です。
CAGEDシステムは、ギター初心者から上級者まで、すべてのギタリストにとって必須の知識です。
この記事では、CAGEDシステムの覚え方、活用法、メリットなどを初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、
- コードのしくみが理解できる
- 指板上のコードがすべてわかるようになる
- カポを使ったコード移動が簡単になる
- メロディーやアドリブが弾けるようになる
- 伴奏のバリエーションが増える
- 他の人とセッションができる
- キーの変更に対応できる
あなたもCAGEDシステムをマスターして、ギターの世界を自由自在に駆け巡りましょう。
もくじ
CAGEDシステムを動画で完全ガイド
CAGEDシステム完全ガイド_前編
CAGEDシステム完全ガイド_中編
CAGEDシステム完全ガイド_後編
CAGEDシステムを知ればギターの世界が広がる
ケイジドシステムの「ケイジド」とは『CAGED』のこと、つまりギターコードのことです。『CAGED』のコードは、全て開放弦を含んだオープンコードです。
ギターコードは『CAGED』の他に「F」と「B」がありますが、ケイジドシステムには入りません。
なぜかというと、「F」はEを1フレット平行移動した『E型』、「B」はAを2フレット平行移動した『A型』になるからです。
「E」と「F」、「A」と「B」は、全弦をセーハしている人差し指を除くと押さえている形が同じなので、CAGEDシステムでは同じ仲間として扱います。
CAGEDシステムは、オープンコードの型を基本にまとめたコードの体系です。
CAGEDシステムを理解するための2つのアプローチ
CAGEDシステムを理解するためには、2つのアプローチがあります。
◆ 1つのコードに5つの型がある
◆ 1つの型に複数のコードがある
それぞれ解説します。
1つのコードに5つの型がある
ギターでは、1つのコードに『5つの型』があります。『型』は全てオープンコードの形です。
・Cコードにおける5つの型
・Aコードにおける5つの型
・Gコードにおける5つの型
・Eコードにおける5つの型
・Dコードにおける5つの型
それぞれ、具体的に解説します。
・Cコードにおける5つの型
まず初めに、Cコードが指板上のどの場所でどの型になるのかを詳しく説明します。
上の図を見てください。赤・青・黄・緑・灰色の『5つの型』は全てCコードです。
『C型』はオープンコードの「Cコード」の形、『A型』は「Aコード」の形、『G型』は「Gコード」の形、『E型』は「Eコード」の形、『D型』は「Dコード」の形です。
このように、Cコードはギターの指板上では、5つの場所、5つの型で弾くことができます。
一番左にある赤『C型』の人差し指は、ナットの上です。本来はセーハしないコードですが、他の型とそろえるために付け足しました。
実際にCコードを、5つの場所、5つの型で押さえている写真を紹介します。
人差し指でセーハする場所によって、コードの型が変わっていくことがわかると思います。
・Aコードにおける5つの型
次に、Aコードにおける5つの型を説明します。
Cコードと同様に、Aコードを5つの場所、5つの型で押さえている下の写真を見てください。
Cコードと同様に、人差し指でセーハする場所によって、コードの型が変わります。
・Gコードにおける5つの型
次は、Gコードにおける5つの型です。
人差し指でセーハする場所によって、コードの型が変わるのを確認してください。
・Eコードにおける5つの型
次は、Eコードにおける5つの型です。
同様に写真で確認してください。
・Dコードにおける5つの型
最後に、Dコードにおける5つの型です。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
以上のように、同じコードでも、人差し指でセーハする場所によってコードの型が変わります。
CAGEDのコードは、どの型から始まるのかは違うものの『C型→A型→G型→E型→D型』の順に変わっていくことがわかると思います。
コードの型が変わっていく順番から、「CAGEDシステム」という名前になったのですね。
1つの型に複数のコードがある
次は、ケイジドシステムを理解するためのアプローチの2つ目です。
1つの型を平行移動させると、コードは次々と変わっていきます。変わり方の法則がわかれば、ケイジドシステムが理解できます。
・C型の複数コード
『C型』はCコードから始まり、1フレットずつ平行移動すると、次のようにコードが変わります。
C→C#→D→D#→E→F→F#
→G→G#→A→A#→B→C
「E」と「F」の間、「B」と「C」の間には「#」のコードはありません。これは、ドレミファソラシドの「ミ」と「ファ」の間、「シ」と「ド」の間に「#」の音階がないことと同じです。
『C型』を1フレットずつ平行移動させていく様子を写真で紹介します。
・A型の複数コード
『A型』はAコードから始まり、1フレットずつ平行移動すると、次のようにコードが変わります。
A→A#→B→C→C#→D→D#
→E→F→F#→G→G#→A
下の写真は、実際にコードを押さえているところです。♯や♭が付いたコードは省略してあります。
・G型の複数コード
『G型』はGコードから始まり、1フレットずつ平行移動すると、次のようにコードが変わります。
G→G#→A→A#→B→C→C#
→D→D#→E→F→F#→G
下の写真は、実際にコードを押さえているところです。♯や♭が付いたコードは省略してあります。
・E型の複数コード
『E型』はEコードから始まり、1フレットずつ平行移動すると、次のようにコードが変わります。
E→F→F#→G→G#→A→A#
→B→C→C#→D→D#→E
下の写真は、実際にコードを押さえているところです。♯や♭が付いたコードは省略してあります。
・D型の複数コード
『D型』はDコードから始まり、1フレットずつ平行移動すると、次のようにコードが変わります。
D→D#→E→F→F#→G→G#
→A→A#→B→C→C#→D
下の写真は、実際にコードを押さえているところです。♯や♭が付いたコードは省略してあります。
CAGEDシステムはルートのつながりで理解する
CAGEDシステムは、丸覚えしても役に立ちません。というか、丸覚えする必要がありません。
各コードのルート(ベース音)のつながりを追いかければ、次のコードの型が見えてきます。
たとえば、6弦にルートをもつ「G」から始めてみましょう。
「Gコードにおける5つの型」で説明したこのコードの並びは、ルートを追いかけながら動いていくイメージです。
実際にギターを構えて、音を出しながら確認してください。
・『G型』のオープンコードのルートは6弦[赤]なので、次は6弦をルートにもつ『E型』になります。
・『E型』のルートは4弦[青]にもあるので、次は4弦をルートにもつ『D型』です。
・『D型』のルートは2弦[黄]にもあり、これは『C型』の2弦です。
・『C型』のルートは5弦[緑]にもあるので、次は5弦をルートにもつ『A型』です。
・『A型』のルートは3弦[灰]にもあるので、次は3弦をルートにもつ初めの『G型』に戻ります。
このように、CAGEDシステムは丸覚えしなくても、ルートのつながりを理解することで前後のコードがみつかります。
CAGEDシステムのメリット
CAGEDシステムには多くのメリットがあります。
ここでは、5つのメリットを紹介します。
・カポタストをつけてコードを簡単にできる
・メロディーやアドリブが弾ける
・伴奏のバリエーションが増える
・他の人とセッションができる
・キーの変更に対応できる
ひとつずつ解説します。
カポタストをつけてコードを簡単にできる
CAGEDシステムを理解すると、カポタストをつけてコードを簡単にすることが瞬時にできるようになります。
ギターは、1つのコードに『5つの型』があると説明しました。
たとえば、「Eコード」は、2フレットをセーハすると『D型』になり、4フレットをセーハすると『C型』になります。
つまり、「Eコード」は、カポタストを2フレットにつけると「Dコード」に、4フレットにつけると「Cコード」になるということです。
他のコードも一気に簡単になります。
「Eコード」で始まる曲は、「C#m」や「G#m」のコードが出てきますが、カポタストを4フレットにつければ、「C#m」は「Am」に、「G#m」は「Em」になるのです。
CAGEDシステムを理解すると、カポタストをつけてコードを変えることが簡単にできるようになるのです。
メロディーやアドリブが弾ける
CAGEDシステムを理解すると、メロディーやアドリブが弾けるようになります。
なぜならば、指板上のコードの型が見えるからです。
コードの型が見えると、どこにメジャースケール(ドレミファソラシド)があるのかがわかります。
たとえば、ギターを弾き始めたときに覚えたと思いますが、Cコードでは5弦3フレットがルートの「ド」です。
『C型』では、人差し指でセーハしたところをナットだと思えば、5弦のセーハしたところから数えて3フレット目がルートになります。
つまり、『C型』であれば、どこでコードを押さえても5弦の3フレット目がルートになるのです。
上の図の赤枠で囲まれた形を覚えましょう。
この形の中にある音を並べれば、『C型』でメロディーやアドリブを弾いたりすることができるのです。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
『C型』と同様に、『G型』『E型』のメジャースケールも覚えましょう。
実は、メロディーやアドリブを弾くときには、5弦にルートがある『C型』よりも、6弦にルートがある『G型』『E型』の方が弾きやすいので、ぜひ覚えてください。
この『G型』は、6弦の一番低い音から弾き始めると、「ラ」から始まるマイナースケール(短調)になります。
私がアドリブでソロを弾くときには、このマイナースケール(短調)を好んで使います。理由は3つあります。
(1) 6弦にルートがある
(2) セーハするフレットの音を全て使える
(3) 明るい曲も暗い曲も弾ける
この後に紹介する『E型』のメジャースケールよりも弾きやすく、メロディーラインがつくりやすいと思います。
では次に、『E型』のメジャースケールを説明します。
『E型』のメジャースケールは、ギタリストにとって定番中の定番です。
ギターの基礎練習として、この2オクターブのメジャースケールを上下するトレーニングは欠かせません。6弦ルートの1つ下の音、1弦ルートの1つ上の音は、トレーニングの時には弾きません。3〜1弦の指使いは、とてもよい練習になります。
♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪
『G型』『E型』のスケールを理解すれば、どんなキーの曲であってもメロディーやアドリブを弾くことができるようになるので、指が自然に動くようになるまで練習しましょう。
伴奏のバリエーションが増える
CAGEDシステムを理解すると、伴奏のバリエーションが増えます。
なぜならば、いろいろな場所でコードを弾くことができるようになるからです。
同じコードでも型が変わると音の並びも変わるので、アルペジオでは違う雰囲気の演奏になります。
音の並びと同じようにピッチ(音の高さ)も変わるので、ストローク演奏でもアクセントをつけることができます。
このように、CAGEDシステムを理解することで、伴奏のバリエーションを増やすことができるのです。
他の人とセッションができる
CAGEDシステムを理解すると、他の人とのセッションがやりやすくなります。
サウンドに厚みを出すためには、様々な音程や音色が必要になりますが、CAGEDシステムを理解していれば、ピッチ(音の高さ)を変えたり、音の並びを変えたりすることは簡単です。
たとえば、同じコードのアルペジオ演奏でも、型が違えば出てくる音が変わるのでハーモニーが生まれます。ハーモニーはサウンドに厚みを生みます。
このように、CAGEDシステムの理解は、複数人で演奏するときにも有効なのです。
キーの変更に対応できる
CAGEDシステムを理解すると、キーの変更にも瞬時に対応できます。
なぜならば、型をずらすだけでキーの変更ができるからです。
たとえば、「Aだと高いからF#に下げて」というときでも、5フレットの『E型』を2フレットの『E型』に変えるだけで対応できます。
このように、キーが変わってもすぐに対応できるのが、CAGEDシステムを理解することのメリットです。
まとめ:【ギター初心者】CAGEDケイジドシステム!覚え方と活用法
ここまで、ギターのCAGEDシステムについて解説してきました。
CAGEDシステムを知ればギターの世界が広がる
CAGEDシステムを理解するための2つのアプローチ
1つのコードに5つの型がある
・Cコードにおける5つの型
・Aコードにおける5つの型
・Gコードにおける5つの型
・Eコードにおける5つの型
・Dコードにおける5つの型
1つの型に複数のコードがある
・C型の複数コード
・A型の複数コード
・G型の複数コード
・E型の複数コード
・D型の複数コード
CAGEDシステムはルートのつながりで理解する
CAGEDシステムのメリット
カポタストをつけてコードを簡単にできる
メロディーやアドリブが弾ける
伴奏のバリエーションが増える
他の人とセッションができる
キーの変更に対応できる
CAGEDシステムを理解すれば、指板上のどの場所でどんな型のコードを押さえると何のコードになるのかがわかるので、カポタストをつけてコードを簡単にしたり、ハイポジションでメロディーやアドリブを弾いたりすることができるようになります。
つまり、CAGEDシステムは、今まで知らなかったギターの世界を教えてくれる夢のシステムなのです。
ぜひあなたも、この素晴らしいCAGEDシステムを理解してご活用ください。
この記事があなたの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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