12弦ギター!サウンドの秘密を弦とチューニングと弾き方で解説

Pocket

名曲として知られるイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」(1976年)は、始めの1音だけで歓声が上がるほど12弦ギターの音色が印象的です。

また、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」(1971年)では、12弦ギターのエキゾチックでもの悲しい音色に魅了されます。

しかし、私は、これらの曲が12弦ギターで演奏されていることを知ったのは、かなり時間が経ってからのことでした。当時は2台のギターを重ねていると思っていました。

なぜ12弦ギターはこれほどまでに感動的なサウンドを生み出すのでしょうか?

そこでこの記事では、12弦ギターの弦とチューニング、そして弾き方に焦点を当て、そのサウンドの奥深さを徹底的に解説します。

12弦ギターのサウンドは、奥深く魅力的です。

そのサウンドの秘密を解き明かし、自分の演奏に新たな可能性を見出してみてください。

↓この記事はユーチューブでも公開中↓

12弦ギターの弦とチューニング

12弦ギターは、2本の弦がセットになっていて、これをコースといい、全6コースあります。

各コースの太い方の弦を主弦、細い方の弦を副弦といいます。ただし、1・2コースは同じ太さの弦が張られています。

チューニングは、6弦ギターと同じで、1コースから順に[E-B-G-D-A-E]です。

12弦ギター チューニング

ユニゾン:同じ高さの音

12弦ギター 主弦 副弦

12弦ギターの弾き方とサウンド

12弦ギター ヘッド

12弦ギターは、6弦ギターと同じチューニングのため、6弦ギターと同じように弾くことができます。

ところが、6弦ギターと同じように弾くだけなのに、圧倒的な「音の厚みと広がり」があります。

その理由は、2つあります。

  • 出る音の数が6弦ギターの2倍である
  • 6弦ギターより1オクターブ高い音が出る

12弦ギターは6弦ギターと比べると、出る音の数が2倍です。弦が12本あるからです。

そのため、6コース〜1コースをストロークすれば、12個の音が出ます。

単音弾きでも、2つの音が出ます。

6〜3コースは1オクターブ違いの2音、2・1コースはユニゾンの2音です。

つまり、12弦ギターは、6弦ギターと同じように弾いても、複数の違う音が出てくるので、サウンドに厚みや広がりが感じられるのです。

特に、ダウンピッキングをしたときは、1オクターブ高い音が先に出るので、きらびやかな音色になります。(例外あり)

サウンドに厚みのある12弦ギターを弾いた後に6弦ギターを弾くと、痩せた弱々しい音に感じられるので、つまらなくなることさえあります。

サウンドの厚みと広がりが圧倒的なギター、それが12弦ギターなのです。

♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪

それでは次に、12弦ギターのサウンドを聞いてください。

開放弦のサウンド

まずは、12弦ギターの6コースから1コースまで順に弾いた音です。

音源を再生するとスピーカーから音が出るので、ボリュームに注意してください。(以下同様)

1オクターブ高い音の方が先に聞こえてくるのがわかると思います。

2コースと1コースはユニゾン(同じ音の高さ)なので、1オクターブ上の音はありません。

12弦ギター 開放弦

ドレミのサウンド(5コース〜2コース)

12弦ギターで下の指板図のように「ドレミファソラシド」を弾くと、最後の2音「シド」のところで、1オクターブ高い音がなくなります。

12弦ギター 指板図1

ドレミのサウンド(5コース〜3コース)

下の指板図のように弾くと、「ドレミファソラシド」の最後の2音「シド」でも、1オクターブ高い音が重なります。

12弦ギター 指板図2

コードのサウンド

最後に、コードの響きを聞いてください。

Em9のコードですが、下の指板図のように押さえています。

12弦ギター 指板図3

12弦ギターのデメリット

12弦ギターのサウンドは素晴らしいのですが、良いことばかりではありません。

次のようなデメリットもあります。

  • 12本の弦をチューニングするのに苦労する
  • 12本の弦を交換するのがとても面倒
  • チョーキングなどの奏法がやりづらい
  • 指弾きはやりづらいのでピックを使った演奏テクニックが必要
  • 頑丈にできているので重く、運搬するのが大変
  • ヘッドが大きいので6弦ギター用のケースに入らないことがある
  • 価格が6弦ギターよりも高額

このようなデメリットがあっても、12弦ギターのサウンドには特別な価値があります。

ここぞというときに使えば、6弦ギターでは表現できない世界観を演出できます。

例外的な12弦ギター

主弦と副弦の位置ですが、通常タイプの12弦ギターでは、1オクターブ高い副弦が上側(6コース側)についています。

ところが、この主弦と副弦の位置が逆になっているギターがあります。

リッケンバッカーというメーカーが作っている12弦ギターです。

リッケンバッカーの12弦ギターは、ヘッドの部分が他のメーカーと大きく違っています。

クラシックギターのようにスロットヘッド(ヘッドに空けた穴に弦を通す構造)があります。

6コースから4コースでは、副弦をこのスロットヘッドに通します。

3コースから1コースでは、主弦をこのスロットヘッドに通します。

そのため、一般的な12弦ギターと違って、主弦の下(1コース側)に副弦が張られています。

<リッケンバッカーModel330 のボディ形状>

12弦ギター リッケンバッカー1

<リッケンバッカーの12弦ギター>

12弦ギター リッケンバッカー2

<リッケンバッカー 12弦ギター(左利き用)のヘッド>

12弦ギター リッケンバッカー3

主弦と副弦の位置が反対になっているリッケンバッカーでは、通常の12弦ギターとは違うサウンドになります。

まとめ:12弦ギターのサウンド!弦とチューニングと弾き方でチェック

12弦ギター ヘッド2

ここまで、12弦ギターに使われている弦やチューニングの方法、弾き方について解説してきました。

  • 12弦ギターの弦とチューニング
  • 12弦ギターの弾き方とサウンド
  • 12弦ギターのデメリット
  • 例外的な12弦ギター

圧倒的な存在感がある12弦ギターを、ぜひあなたの演奏に取り入れてみてはどうでしょうか。

きっと魅力的なサウンドを創り上げることができますよ。

この記事があなたの一助になれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

関連記事

キラキラのナッシュビルチューニング!弦と弾き方と注意点[動画あり]

ギターで美しい響きの変則チューニング!種類とやり方[動画あり]

ギターの弦は毎回緩める?両論の根拠と45年以上の経験談

社会人からギターを始める!効率的に練習時間をつくる方法

クリップ型チューナーでチューニング!方法とCGBVU等の注意点


◆◆ 無料動画レッスン ◆◆

ギターのテクニックを向上させたいあなたに贈る、プロ講師による無料動画レッスン!

思うように上手く弾けない、もっとレベルの高い技術を習得したいなら、この無料動画レッスンがオススメです。

◆【超初心者】弾き語りの完成まで約1ヶ月間の無料動画レッスン

◆【悪いクセがつく前に】全11回ギター上達のコツ無料動画レッスン

◆【カノンで学ぶギタテク8選】無料動画レッスン

◆【ソロギターのテクニック8選】無料動画レッスン